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このところ話題になっていた荒川の可愛いお客様、アザラシの「アラちゃん」。 ニュースを聞いた瞬間、重松清のこの本が思い浮かびました。 中に「メグちゃん危機一髪」という題のものがあります。 目黒川に姿を現したアザラシの“メグちゃん”を、通勤電車から眺める主人公と、 リストラされてこれを毎日見に行くその友人…ほろ苦い小説でした。 “四十回のまばたき”を読んで、久しぶりに重松ワールドに浸りたいと、 古書店で買ってきたのが 「ビフォア・ラン」とこの「みぞれ」でした。 文庫オリジナルというこの作品集は1冊に11編入っています。 「メグちゃん危機一髪」は、7番目。初出は別冊文芸春秋(2003・11)ということ… ちょうどタマちゃんが話題になっていた時だったようです。 アザラシを昼間見ている会社員、なぜ?メグちゃんが危機一髪とは…。 リストラ対象になった人とならなかった人、メグちゃんを見ながら何を想ったのでしょう。 表題作「みぞれ」は、初出「野生時代」(2006.12)。 故郷に残る年老いた両親とそれを気にする息子。重松作品には何度も登場する設定ですが、 読むうちに、どうしても目頭を押さえる事になります。 解説で、著者は『“息をするように”小説を書きたい。生きて来た時代、生きている社会、
自分自身の体験や状況を、お話を生みだす源として…』 と、語っています。 確かに自然な語り口と展開ながら、しっかりとツボを押さえ、読み手を感動させる 素敵な短編ばかりでした。 |
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