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 菱田春草「黒き猫」が観たいと、公開最終日(21日)に初めて行ってみたのですが、
地図では推し量れなかった急な坂(その名も「胸突坂」)の上にある、
静かな木立に囲まれた建物でした。
 細川家のコレクションを展示しています。

 この7月に新装なった展示室に、その絵はありました。
猫の目は瞳孔が細く、口も黒っぽく表現されています。
耳はピンと立っているというかむしろ反っているくらいで
どちらかといえば不敵な黒猫…。
 もう1枚の「柿に猫」は、そっくりな黒猫なのに、口の部分は白い線を使い、
幾分柔らかい面持ちなのも、おもしろかった。

 屏風「落葉」(重要文化財)も見事。枯れ葉が散った木立を少ない色で描いていますが、
1909年文展で最高賞を受賞した作品です。
「六歌仙」は、小野小町や在原業平を描いた雅な屏風ですが、業平が美男子!でした。

 そして、もう一つの目的は、“表題の展示”にある、
観たばかりの映画「天地明察」の主人公、安井算哲(渋川春海)作「天球儀」。
 ひと抱え以上もある銅製の立派なもので、こちらも重要文化財。
鋲で星を表し、文字は金の象眼。台座には安井算哲の文字も見えました。
 天文に関するものを集めたこの部屋には、山崎闇斉の著書、当時の暦、仙崖の書画まで
興味深いものが集められ、分かりやすい解説も付いていました。

 この建物の階段には、細川家当主・細川護立を訪ねた
アンドレ・マルロー、グレース・ケリーといった賓客や、
横山大観、安井曽太郎らの写真パネルも掲示。
 そして「文庫」の名の通り、壁いっぱいの書架には圧倒されます。
みんな護立の蔵書ということ。
本に囲まれていると嬉しくて(洋書は読めませんが)、「美女と野獣」のベルの気分です。

 地下鉄江戸川橋の駅からここまでの川沿いの道は、桜並木の遊歩道。
絶対、その季節にまた来たいと、再訪を誓いました。

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