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 マルク・シャガールの“色彩”をタピスリーで再現する、そんなことができるの?
半信半疑で入った展示室。
 そこには予想以上に大きなタピスリー。確かに…シャガール、でも絵じゃない。
つぶつぶした表面、よく見ると曲線はギザギザ。掛けられた布地のため、
上方には棒が通してあってピンとしていますが、下の方は若干たわんで凹凸になっているし。

 画家は“タピスリーなって作品が壁に飾られることに喜びを感じる”とは、
タピスリー作家イヴェット・コキール=プランスの言葉。
 
 タピスリー制作時、彼女は生前のシャガール自身と綿密に打ち合わせをし、
お互い納得できるものに仕上げていたということです。
 シャガール死後は、『彼が生きていたらきっと「それでいいよ」と言うだろう』という
心の声を感じながらの制作だったようですが、ずっと同じような見事な仕上がりの作品たちです。

 絵画の色を「再現する」のではなく、その絵の心を移しかえるという…確かに。
カラーコピーじゃないのだから。
 使用されたウールの糸の質感は、懐かしさと暖かさが感じられて、
心和むものになっています。

 2階の展示室には回廊があって、1階が見下ろせるようになっていて、
そこから眺めた「平和」という大きな作品は、ひときわ胸に迫るものがあって…
至福の時間でした。

 この建物の設計者は白井晟一。
 限られた敷地の大きさや近隣が住宅地という制約を見事に克服したモダンな建物。
暖かみのある外壁と豊かな空間を感じ、来てよかったと満足でした。

 そして…驚いたのはここがあまりにも寒かった!こと。
「節電」ではなく、空調設備の故障と言うことですが、屋外よりも寒いかも?という、
レアな美術鑑賞となりました。


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