|
原作は、昨夏に一気に読みました。
「風立ちぬ」も零戦を扱っていたので、映画化は知らずに手にしていたのです。
特攻で亡くなった宮部久藏(岡田准一)の周辺の人々を、
戦時中を若手、生き延びた現在をベテランが演じる構成は、
時間の経過を感じさせて、厚みのあるドラマになっていました。
井崎(濱田岳→橋爪功)は、それまで単に「臆病者」と言われていた宮部の、
もっと“深い想い”をわかっていた人。
話を聞きながら、孫(三浦春馬)は一気に視界が開けた気がしたことでしょう。
そしてライバル景浦(新井弘文→田中泯)や、教え子武田(三浦貴大→山本學)、
最後に飛行機を変わって生き残った大石(染谷将太→夏八木勲)など、
若手もベテランも味わい深い演技で、
緊張が途切れることのない2時間余りでした。
宮部の最愛の妻(井上真央)と娘との一時帰宅してから出立まで、
涙で見えなくなるくらい切なくて。
大切な人を守りたい、そのために“生きて帰りたい”と
最初は堅く心に誓った宮部なのに、どうして特攻に…。
映像化されるとその悲しい変化が見て取れ、理不尽さに
さらに胸が締め付けられました。
映画を見た日、昼間は「箱根駅伝」をずっと観戦していて、
“特攻”の多くは学徒出陣の将来有望な大学生だったと
映画で語られていて、余りの違いに呆然となりました。
エンディングの青い空に白い雲をバックに流れるサザンの「蛍」。
〜ゆめあふる世の中であれと〜。
平和がずっと続きますようにと、願わずにはいられませんでした。
|