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小津安二郎作品といえば、タイトルバックが
麻布のような質感に、しゅっとした手書き文字のイメージ。
あの文字は小津監督の「自筆」とは、初めて知りました。
作品のなかに写り込む美術品はすべて本物。細部にまで美学に拘る巨匠は、
封切り当時(1950〜60年代)に話題になった資料もありました。
梅原龍三郎、山口蓬春、橋本明治、東山魁夷…
借り物ではなく、交流関係などから小津氏所蔵の美術品たちが、
作品にも登場していました。
自身の写生やスケッチ、水彩画も洒脱。
カラフルに彩色された絵コンテ。
こんな美意識の高い方なら、ピントが合わない状態で
写り込む絵画にも拘るのかと、納得でした。
そして「美術監督濱田辰雄の世界」も素晴らしかった。
映画美術の職人の技が、名画をきりっと引き締めていたことが
よくわかります。
小津作品がまたスクリーンで観たくなりました。
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