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岡田謙三と言えば、抽象画に「ユーゲニズム」(幽玄)と言われる色調…と連想しましたが、
若い頃は、色彩豊かな女性や花の絵も描いていました。
また、彼のアトリエがあった自由が丘界隈は、モダンダンスの草分け
石井漠の研究所も開設されて、文化人同士の交流がありました。
岡田のアトリエには小茂田守介、一時期目黒在住だった荻須高徳、
海老原喜之助らが訪れていたそうです。
出品リストには地域名が併記され、駒井哲郎(不動岡)、浜口陽三(上目黒)、
荻須高徳(中町)…私には目黒に“土地勘”がありませんが、
区民だったらリアルに想像できそうです。
モダンダンスの資料は「石井漠研究所」の写真や公演プログラム、
そして記録フィルム。なかなか貴重な昭和初期のダンスシーンも
じっくり見てみました。
その流れで、展示は近年の土方巽の公演まで続いています。
さらに目黒区は「工業デザイナー」も多数在住、事務所を構えていました。
秋岡芳夫(中町)、柳宗理(駒場)、山田正吾(下目黒)など。
秋岡芳夫はデザイナーになる前には「童画」を描いていて、
絵本の原画は繊細で愛らしく、やさしげな絵にとっても心が癒されました。
この企画は“収蔵品を中心”に、というものですが、壁面に大きく描かれた略図に
アトリエの場所が記され、このモダンな界隈が実感できて、見応えあるもの。
美術館の「企画力」はなかなかだな、と思いました。
展示は3月30日までですが、この美術館は目黒川沿いにあって、桜の名所。
きっとすごい人出で、周囲は賑わうことでしょう。
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