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久しぶりに訪れた横浜の、第一の目的がこの写真展でした。
彼女を知ったのは数年前、「好奇心ガール、いま97歳」という本でした。
それから「恒子の昭和」など著作を何作か読んで、彼女の作品を
印刷でない「写真展」で観たかったので、いい機会でした。
展示は「明治の女性」「あの時代あの人」「報道写真」「笹本恒子の今」という
4部構成。
個人を写した前半は、背景を含めて1つ1つに“物語”があるようでした。
明治の女性は28名。物静かで控えめに見えるのに、
凛とした心の強さを感じます。
壺井栄、宇野千代、佐多稲子、三岸節子、杉村春子、吉行あぐり、淡谷のり子、
丸木位里、長岡輝子…憧れます。
「あの時代あの人」では男性も登場。
徳富蘇峰、力道山、市川染五郎、藤山一郎、そして三笠宮崇仁殿下まで。
殿下とともに妃殿下百合子様の写真もありますが、幼い子どもと一緒の、
とってもアットホームなスナップでした。
尾崎士郎、井伏鱒二、大仏次郎、長谷川伸らの文士、高杉早苗、中村メイコ、
朝岡雪路、笠置シヅ子、美空ひばりらの芸能人、40名の個性豊かな写真は
とても楽しめました。
報道写真も戦前からあって、若き日の笹本さんの実力にも驚きつつ、
最近のパリに赴いて撮ったカラー作品、掲載されている雑誌、著書も並んでいました。
報道の中にあった蟻の街のマリア・北原怜子さんの優しい笑顔には胸が痛みました。
社会奉仕に人生を捧げて28歳で夭折した、天使のような女性です。
見に来ていた人が“杖”を手にしていた割合がこんなに多かったのは、初めてです。
でもきっと、「100歳でもこれだけできる!」と、元気が湧いてきたことでしょう。
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