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 “いつでも行ける”から“それなら行こう!”になったきっかけは、
「特別展示=御料車・知られざる美術品」の告知のビラを、駅で見つけたから。
万世橋(秋葉原)時代の「交通博物館」で見た一号御料車の記憶が鮮明で、
今回はそれを“美術品”として見られることに興味があって、行くことに決めました。

 御料車は当時の美術工芸界の粋を集めて建造された印象です。
列車の内装=限られた大きさの中で、木彫(高村光雲)、漆(六角紫水)、七宝、
織物、刺繍、それらを駆使したクッションや家具も、間近に見たら、本当に見事。
岡田三郎助の絵画もありました。

 漆塗り、螺鈿細工の扉も含め、廃車になったものから取り外したという展示品は
細かい傷も見てとれて、“実際に使用されていた美術品”というものは、
なにか息遣いを感じられるというか、独特の趣がありました。

 『一号御料車』(写真)。内装はふっくらとクッションのような絹張りで、
色は生成りに近いものなのに、私が小学生の頃観た記憶では薄いピンク。
当時は綺麗に修復されていなくて、繊維がほつれていたのが鮮烈な印象でした。
その時買い求めた図録の説明文に「惜しむらくは戦時中の閉館中に湿気で傷み」とあり
(暗記するほど読んでいた…)その光景まで思い浮かべ、胸を痛めたものでした。

 きれいになったこの車両を見て、ようやく胸のつかえが下りたような
ほっとした気持ちでした。

 それにしても、釘を隠す飾り金具やねじの頭にまで菊の紋章を入れるなど、
職人の心意気が随所に感じられる御料車の展示には、圧倒されました。
(つづく。)

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