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 横浜の“港の見える丘公園”にある「神奈川近代文学館」。
“林芙美子”に惹かれていくことにした理由…母が時折
“花のいのちはみじかくて苦しきことのみ多かりき”と呟いていたからでした。

 森光子主演「放浪記」の原作者として有名な彼女ですが、貧しい育ちから
独力で文学を学び、投稿等を経て徐々に認められ…
並行して様々な職業で生活費を稼いでいました。
 なんと逞しいことか。
 今ならそれほど驚かないかもしれませんが、
女性は結婚するのが当たり前だった昭和初期のこと、どれだけの苦難があったのでしょう。
 
 しかし、幼い頃の貧しい暮らしは彼女の糧となったようで、
人生をぐんぐんと切り開き、人気作家として戦前〜戦後を駆け抜けて、
死の数時間前まで雑誌の取材を受けていて、帰宅後に急逝…47歳でした。

 生き急いだとしか思えない…。依頼された原稿は断らずに
寝る間も惜しんで書き続けたという、凄い女性です。
そしてあの言葉、“花のいのちは短くて…”好んで揮毫していた言葉ということですが、
まさにその通りでした。
 同じ言葉を「放浪記」主演の森光子さんが描いた色紙も展示されていましたが、
こちらは同じエネルギッシュでも長く続くもの…。
書体も綺麗に粒がそろった、芙美子とは好対照をなすものでした。

 文学の他、「油絵」も好んで描いていたことは初めて知りました。
文学の展示は1つ1つ読むととても時間がかかるものですが、この日は全部で60〜70分、
もう少しゆっくりしたかったな…と思いつつ、同じ公園内の別の博物館へと向かいました。

 実は今、林芙美子の文庫本を読んでいる途中です。
若い頃に一度読んだことはありますが、私が“彼女の最晩年”の年齢くらいになり、
展示を観てから読み返すと、また違った味わいです。

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