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今回の企画展は若干の迷いもあったのですが、黒田清輝の「智・感・情」が もう一度見たかったから、行ってみました。 昨年“建物見て歩き”で「黒田記念館」を訪れた時、何の前触れもなく 目の前にドーンと現れた“あの3枚”は衝撃でした。 漆喰の装飾が美しい記念館の空間に、美しい女性像がまことにぴったりと嵌って…。 そんな記憶をもって臨んだ展示。まず明治初期に本業が画家ではなかった 百武兼行が描いた油彩の「臥裸婦」(1881)。堂々たる作品で、 黒田清輝よりも前に、こんな大きな洋画を書いた人がいたことに驚きました。 黒田清輝は、裸婦を猥褻なものではなく“芸術”として見て欲しいという願いから、 「智・感・情」を描いたということで…モデルは当時の少女ですが、 八頭身ですらりと足長のプロポーションへと若干修正を加えているらしい… 明治時代にこんなスタイルの子はまずいなかったでしょうが、 この絵を見て真っ先に思い浮かんだのは、劇団四季「キャッツ」のタントミール役 →高倉恵美さん。彼女はこの絵とほぼ同じバランスかと。 約100年を経て、現実が理想に追いついたのか? この女性たちは、壁画のように端正な印象でした。 肉感的なものを排除し、理想化した黒田清輝とは逆に、リアルからデフォルメへ進んだ 萬鉄五郎、古賀春江、それぞれ個性的な表現へと変化していく梅原龍三郎、熊谷守一、 藤田嗣治、安井曽太郎、小出楢重、圧倒的な質感で異彩を放つ甲斐庄楠音など。 人間が描く“人間”、モデルとの関係や、肉体に対する感じ方など、画家によって
本当に個性の違いが出ると、敢えてヌードにこだわった今回の企画展は、とても おもしろかった。 作品の説明も、書いた人の主観が入っているというか、話しかけられているような、 親しみを感じるキャプションでした。 |
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2011年12月19日
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