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名匠フェデリコ・フェリーニ監督の映画。少し前に、午前10時の映画祭で見ました。
劇中、ヒロインがトランペットで演奏する「ジェルソミーナ」は名曲で、
前回の冬季五輪で、フィギアスケートの高橋大輔選手がフリーをこの曲で滑り、
銅メダルを獲得したことを思い出します。
そして…もしかしたら昔TVでこれを見たような気がするのですが、それは独身時代。
今見ると、粗野な中年男の悲哀のようなものを感じ、印象が変わっていました。
旅芸人ザンパノ(アンソニー・クイン)は、家族から疎んじられる童女のような
ジェルソミーナ(ジュリエッタ・マシーナ)を一座に買い取り、芸をさせようとする…
彼女はラッパを吹くことは好きだが、あまり芸達者ではない。
旅の途中で出会った軽業師に心を奪われた彼女は、軽業師の死で、悲嘆にくれる。
そんな“頑な”な彼女を見捨てて、置き去りにするザンパノ…なんてひどい。
どこかの海岸でジェルソミーナのメロディーを耳にし、歌っていた女性に
“どこで覚えた?”と問いただすと、流浪の病気の女の子が歌っていた旋律で、
その子はもう死んだ、と聞かされます。
悔やむザンパノは、暗い海岸にいつまでも佇んでいました。
ジェルソミーナを演じたジュリエッタ・マシーナは、無邪気な幼女のような演技が
とても印象深く、凄い女優さんだなあと見入ってしまいました。
粗野なザンパノではありましたが、ジェルソミーナを置き去りにする時に
そっと上着を掛けて行く描写が妙に心に残り、観終えた後にじわじわと
哀しみが増していくような、奥深い作品…「名作」だな、と思います。
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