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☆2012年3月7日(水)ソワレ 自由劇場
初見の演目です。達者な俳優さんたちがずらりと揃った圧巻のストプレ。
今月のアルプに、この演目を稽古する時、基本は「居て、捨てて、語る」=“自然に”と
書かれていたことが、実感できる舞台でした。
実際に合った事件をモチーフにしているとはいえ、私もそんなに昔の記憶はないので、
創作として観ていました。
まず絹川巡査長(藤川)が巧い。小心者で前言撤回など朝飯前…。力石警部(高橋)の
押しつけがましい感じ、人質ヘッピリ(中村)、オーアマ(川口)のおどおどぶり、
ユダ(萩原)の飄々とした感じ、女性陣(中野・田野)は寧ろ逞しく逃走を企てたり。
ドイツ人シューベルト(畠山)は金髪がとっても似合って、怪しさ抜群。
文化人の面々=大学教授(川地)・弁護士(星野)・映画監督(田代)・脚本家(岡崎)と
新聞記者(志村・鈴木)も、村木(加藤)に翻弄されて、ちょっと痛快。
村木の台詞は明晰で説得力があり、爆弾を体にぶら下げてみんなを驚かせ、
夜明けの東京の街でのラスト…この時の夜明けのシーンはバックがとてもきれい。
村木は“原子爆弾”を持っているから、付近30キロ以内の住民はみんな避難させて、
警官と人質だけになったゴーストタウン。これは1960年代のお話なのに、
原発事故で今まさにそんな状況のところもあって、背筋が寒くなり…。
笑いが起こるところも多く、楽しめたのですが、反面怖いお話でもあります。
軽妙でありながら考えさせられたこの作品を、簡単に“解った”なんて言ったら、
村木に「解ってたまるか!」と、叱られそうです。
カーテンコールのにこやかな加藤さんや藤川さんが印象的でした。
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