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昨年暮れに「午前10時の映画祭」で予告編を見てから、ずっと観たかった映画。
白黒でサイレント!なんて素敵なのでしょう。
期待を裏切らない、ロマンチックでキュートな作品でしたが、
思った以上に“サイレント”で、字幕が少なすぎる…と戸惑いました。
以前深夜TVで観たことがあるリリアン・ギッシュやチャップリンのサイレントは
場面ごとに文字の画面も登場したような気がします。
しかしそこは、“余白を楽しむ”ように、台詞も好き勝手に想像し、
見終えた感じは満足!でした。
いろいろな場面は有名な映画へのオマージュか…と思いながら見て、
終演後買ったプログラムには場面ごとの説明がちゃんとあって、夢中で読みました。
主演のジョージ(ジャン・デュジャルダン)は、冒険活劇で活躍した
エロール・フリンを彷彿とさせる風貌ですが、その凋落ぶりは
トーキーで消えていったジョン・ギルバートと被ります。
可愛いぺピー(ベレニス・ベジョ)は、フラッパー女優のクララ・ボウや
グレタ・ガルボのファッションを写した様な容貌。
しかし、なんといっても一番の存在感は、ジョージの飼い犬のアギー。
小首を傾げたり、手を出す仕草、主人の一大事を知らせに走る健気さの名演技?は、
カンヌ映画祭の“パルムドック賞”も頷けます。
映画に最初に嵌った十代の頃、たくさん読んだ本、飽かずに眺めた写真集から
ふわりと飛び出した…既視感がある場面が続き、
“いや〜映画って、本当にいいもんですね”“サヨナラ、サヨナラ”…頭の中に
そんな言葉達が蘇る、ノスタルジックな心温まる映画でした。
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