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「ハリウッド・コスチュームデザイナー史」という副題にあるとおり、
映画の衣裳デザイナー列伝となっています。著者は川本恵子。
10年ごとに区切っての紹介ですが、写真も豊富で、とても楽しい本でした。
サイレント映画初期は、衣裳が古着屋さんで調達され、
消毒をしないと使えなかった…という、信じられないお話も。
1920年代、D・W・グリフィス監督のコスチュームプレイから、
衣裳担当が活躍を始めます。この時期、映画制作の拠点が本格的にハリウッドに移り、
東海岸にはあった「舞台用の貸衣裳屋」が使えなくなったことも、
自前のデザイナーを抱える原因となりました。
1930年代には、ガルボ=エイドリアン、ディートリッヒ=トラヴィス・バンドンなど、
女優の専属のように活躍するデザイナーが登場します。
40年代はリタ・ヘイワースのジャン・ルイ、ラナ・ターナーのアイリーン。
50年代はなんと言ってもヘップバーンとジバンシー。そして、ミュージカル映画
(ウエストサイド物語)のアイリーン・シャラフ、アカデミー最多受賞のイデス・ヘッド、
「マイ・フェア・レディ」のセシル・ビートン。
60年代以降は女優専属のような形はあまりなく、
レトロモード(ボニー&クライド)のセオドア・ファン・ランクル、
「華麗なるギャツビー」のセオニ・V・アルドリッチ、「乱」のワダエミ。
80年代以降、スタジオシステムが崩壊して、映画はデザイナーズブランドと結びつく。
「アメリカン・ジゴロ」はアルマーニ、
「華麗なるギャツビー」のメンズはラルフ・ローレン。
90年代の「ビリー・ホリデイ物語」のボブ・マッキーは
映画から有名になったデザイナー、というところでこの本は終わっています。
1993年の発行なので。
映画も舞台も、『衣裳』を観るのが大好き。
こうして周辺事情を知ると、さらに興味が深まって、とどまるところを知らなくなります。
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