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空より高く(重松清)

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 重松清と書かれた本は片端から借りてくるのですが、
待望の新刊。真っ青な表紙、本の小口にまで青い色が鮮やかです。

 ニュータウンの人口増加に伴って開校した高校が
25年経って、閉校となる最後の学年の生徒たちが主人公。
学校の名は「玉川東高校〜タマトン」。なんとなく近所の高校と愛称がダブって、
親近感が沸きました(ここも閉校になっています)。

 主人公は平凡な高校生ネタロウ。友人たちは個性豊かで、
熱血先生や近所の中華屋のおばちゃん、街頭で芸を披露するピエロさんに、
クラスメイトのムクちゃんという女の子。

 学校が終わってしまう、自分たちも卒業する…
そんな2学期に異動してきたタマトン一期生の先生。
熱く語る彼のペースに、周りが巻き込まれていくのは痛快。
 おとなしいムクちゃんが変身していく様子も、
クラスメイトの父親がリストラされてしまうことも、
みんな、暖かい視線が注がれている表現は、落ち着いて読めました。

 大人に「ずるい」とか「逃げている」と言う高校生に、
逃げていいんだよ、と言う、先生や、ピエロさん。
 ピエロは実は女性で、この人もタマトン卒業生でした。

 かっこよくない、どこにでもいる高校生や大人たち=
いわゆる市井の人々。でも日々精一杯生きている、
目立つことなく、褒められもせず、苦にもされず…(どこかで聞いた?)。
 1人1人に物語があって、それは日々連綿と続く。
1日1日を大切にしなくちゃ、と読み終えて心が安らぐ、
さすがシゲマツさんと思う本でした。

※読んだ翌日(昨日)の新聞に“書評”が載っていて、びっくりしました。
 流石、プロの作家さんの評は、それだけで作品のようです。
 ブログを書いていて恥ずかしくなってしまいました。

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