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☆2013年2月27日(水)ソワレ あうるすぽっと(池袋)
とっても有名なアーサー・ミラーの作品なのに、具体的には何も知らなかった…。
敢えて真っ白なまま、舞台に臨みました。演出・西川信廣、訳・酒井洋子、美術・朝倉摂。
しかし、痛い。台詞が、うめき声が、怒鳴り声が…。
主人公の60歳を越したセールスマン、ウィリー(たかお鷹)。
妻リンダ(富沢阿古)は言いたいことも言わない、表面的には従順な主婦。
長男ビフ(鍛冶直人)は高校時代、フットボールの名選手だった。
次男ハッピー(林田一高)はちょっとお調子もの。
この4人家族の1950年代を描いた作品なのに、現在に置き換えても全く違和感が無い、
というよりは今、こうした家庭は本当に多いのでは…身に詰まされます。
父は景気がよかった昔のことが忘れられず、つい虚勢を張り、挙句に時々妄想の世界に…
妻リンダは父親を立てながらも、息子たちが何を考えているのかわからず、戸惑う。
長男は「父の期待に応えられない自分」を、父が認めてくれず…
いつまでもいい子で居続けるのはとっくに無理なのに、わかり合えない2人。
会話が全然成立しない不条理さには、涙が出ました。
次男は醒めていますが、その醒めっぷりは、怖くて悲しい。
誰も幸せじゃない、ラストはお葬式でみんながセールスマンを回想して終わるのですが…
ウィリーを時おり助けてくれた知人の存在が、唯一ホッとできる場面でした。
でも、3時間近い作品を、息をつくいとまもなく一気に観てしまいました。
「文学座」ではこの作品は初演だそうです。
かつて上演していたのは劇団「民藝」(滝沢修)だったことも今更わかった、
まだまだストプレ初心者です。
ミュージカルに比べ、会場全体の年齢層が高く、男性が多い印象でした。
“この年”(子どもが成人)になったからこそ、感動できる作品なのかもしれません。
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