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毎月楽しみに観ているシネマ歌舞伎。
今回は円朝の落語に由来する「人情噺」です。
題名の「文七」とは、中村勘三郎が演じる
長屋の左官“長兵衛”の名前ではなく、
彼が川っぷちで出会った若者(中村勘太郎・当時)の名前です。
元結=ちょんまげを縛る紐・もとゆいですが、
この場合は「ぶんしちもっとい」と読みます。
女房に中村扇雀、健気な娘・お久には中村芝のぶ、角海老の女将中村芝翫、
そして若者が働く和泉屋の旦那は坂東彌十郎。
みんな台詞の間合いがよくて、終始小気味良いテンポでした。
父親と娘のくだりのお久が可憐で…特に声が本当に綺麗。
このときばかりは、しおらしい長兵衛(勘三郎)でした。
角海老から娘の代わりにと受け取った五十両を手に、
帰途に出会う「身投げをしようとしている若者」の中村勘太郎は、
熱演でした。
最後はみんなきれいに纏まって、シャンシャンと手
でも打ちたくなるくらい。すっきりした〜。
汗だくで、あちこち転び・つんのめっての勘三郎さん。
シネマの中で永遠の命を吹き込まれ、これからも
みんなを楽しませてくれることでしょう。
これは新橋演舞場2007年10月の収録で、監督は山田洋次。
舞台に複数のカメラをセットし、様々なアングルで撮影。
臨場感たっぷりでした。
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