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観終えて、“重たいものを飲み込んだままのような感覚”に
何から書いていいのか戸惑っています。
画面は雄大な北海道の風景の美しさと過酷さを映します。
主人公釜田十兵衛(渡辺謙)の斜め後ろから捉えられる表情の凄み、
彼を追い詰める大石一蔵(佐藤浩市)の
暴力を暴力で捩じ伏せる権力者ぶりは怖いほど。
「賞金首」の話を持ちかける十兵衛の昔の仲間、馬場金吾(柄本明)は、
実は十兵衛に複雑な感情を抱いていた…。
アイヌの青年(柳楽優弥)、女郎たち(小池栄子、惣那汐里)、
虐げられたものたちの中にある強さと、諦めと…。
考えることがいっぱいあって、後を引く作品でした。
そして殺し合いのシーンは真に迫っている分、
観ているほうは体に力が入ってしまい、かなり疲れたことは事実です。
プログラムにある渡辺謙さんのインタビューでの言葉。
『役を作るのではなく、自分という人間が消えていき、
その後ろに十兵衛が浮かび上がってくるような…
広大な北海道の自然に身を置き、空気や風、野性動物の緊張感まで感じながら、
人生観を噴き上らせるような形で存在させたい』(要旨)
レイトショーだったのに、帰宅してからすぐに
プログラムを貪り読んで、納得…。
みごとな十兵衛でした。
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