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 “都市の印象派”と副題がついたカイユボット展。
モネやマネやルノアールに比べ、知名度はあまりないと思いますが、
彼の存在は、印象派の画家たちには大きなものだったようです。

 裕福な家庭に生まれたカイユボットは、友人たちの絵を買い取っていて、
没後、それがオルセー美術館の重要なコレクション群となっています。
もちろん、カイユボット自身も絵を描きましたが、
ボートに夢中になり、切手収集に手を染め…
この切手たちは現在、大英博物館にあります。

 絵の具を買うことにも事欠き、命を削るように描いた…とは
正反対のカイユボット。しかしその絵は透明感がある、落ち着いた表現で
特に「ピアノを弾く若い男」は壁紙まで精密に描き、
彼の息づかいも聞こえそうな印象的な作品でした。

 この美術館所蔵だったので、以前から好きな絵で、
ルノワールのシャルパンティエ嬢と共に、必ず見入ったものです。

 弟のマルシャルは写真を趣味とし、町並み、風俗を撮影したものも
たくさん展示されています。
彼の子ども、ジャンとジュヌビエーブがかわいい。
 当時のオペラ座、凱旋門…19世紀に想いを馳せました。

 彼の画風は徐々に変化し、郊外に居を移してからはモネのような
光が溢れる明るい絵を描いていました。没したのが40代なのが
惜しまれます。

 パリの地図が引き伸ばされて床に描かれ、カイユボットが描いた場所が
わかるようになっている展示室では、つい頭の中を“民衆の歌”が流れ
「レ・ミゼラブル」の気分になってしまいました。

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