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 昨年秋、府中市美術館での「夢にデルヴォー」と大きくかかれたチラシに度肝を抜かれ、
埼玉に巡回してくるのを心待ちにしていたこの展覧会。
 インパクトのあるコピーは今回使われていなくて、
「夢をめぐる旅」という、落ち着いた副題となっています。

 そして、実際に見終えて…夢にでるかも?
それはちょっと想像していた「怖そうな夢」ではなく、「穏やかな夢」。
予想外でしたが、うなされないでよかった。

 冗談はともかく、ポール・デルヴォー(1897〜1994)は、ベルギーを代表する大芸術家、のようです。
 初期の作品の風景画は、印象派のような穏やかな感じ。
それが表現主義、シュルレアリズムなどを通過して、
彼の「夢の中のような世界」へ結実。

 ルネ・マグリッットとのツーショット(1944年撮影)は、澄んだ目をした2人が
とっても絵になっていました。
 女性を崇拝するかのように、輝くように描いたもの、行列の女性たちの空を見つめる大きな瞳…
なんだか浮き世離れしています。

 「私は現実をある種の(夢)として描き表そうとしてきました。
事実が本物らしい様相を保ちながらも詩的な意味を帯びている、そんな夢として。」
彼の言葉を反芻しながら、美しい女性たちと、彼独特の骸骨や列車のモチーフを楽しんでいました。

 印刷された彼の作品と、実際に観た印象が違うことがむしろ嬉しく思えた、
「夢をめぐる旅」でした。

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