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「ニ川幸夫・建築写真の原点」と題された、モノクロの“建物写真”の展覧会。
展示方法も凝っていて、作品がスクリーンのように上下をワイヤーで吊られた状態で、
その間を迷路のように辿っていく見方となっています。
会場構成が、若手建築家の藤本壮介氏というのも注目でした。
多くは1950年代から1970年代に掛けての「日本の民家」たち。
京・山城、大和・河内、山陽路、四国路、西海路、奥羽・岩代、武蔵・両毛、
信州・甲州、北陸路、高山・白河。10か所に分けてありましたが、
展示はすべて繋がっている形で、一気に見てしまいました。
民家の魅力に気付くきっかけになったのが、高山の「日下部家」というのは、
太い梁が写った写真から伝わる“風格”が比類なく、即座に納得できました。
そして珍しく、この日下部家は、かなり以前に実際に行ったことがあったのです。
母が戦時中に学童疎開でお世話になった方が岐阜県在住で、
同じ年の娘さんが居たため、夏休みに遊びに行ったのでした。
瓦屋根が重なる集落の俯瞰、山間の家、海辺の小屋、石垣がある小路。
猫の耳に見えるようなかわいい茅葺屋根(ミンノス=棟先を茅束で補強したもの・佐賀県)。
蔵造りの「川越」の家には、まるで知り合いと再会したような懐かしさを覚えました。
地域ごとの特徴がくっきりと浮かび上がる民家は、もう実在しないものも多いのが残念です。
1932年生まれの二川幸雄氏は、現在も活躍中。
VTRも上映されていて、とても80歳に見えない若々しい姿に感動しました。
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