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思いがけず、「ブロガー特別内覧会」(5/31)に参加させていただき、
夕刻の美術館での大変有意義な見学となりました。
漱石の文学には絵画の描写や、名画を例える部分が多くある…
この展覧会を観るまで気づきませんでした。
まず、有名な「坊ちゃん」では、赤シャツがターナーの松を語る→
ターナーの絵画「金枝」(1834)を目の当たりにすると、
当時の風景が生き生きと蘇るようです。
「三四郎」では画集の表紙のマーメイドの絵を見て、
美禰子と同時に「人魚(マーメイド)」と呟く部分では、
ウォーターハウスの「人魚」(1900)のつややかな鱗が目を惹きました。
「夢十夜」の豚が崖から落ちる話のもとになったと思われる
リヴィエラー「ガダラの豚の奇跡」(1883)は日本初公開ということ。
他にも「草枕」伊東若冲、「それから」青木繁の作品も展示されていました。
漱石は掛け軸などを眺めるのが幼い頃から大好きで、
後に英国留学をしたときには、美術館や博物館に足繁く通って、
名画や同時代のイギリスの絵画に、大変親しんだ様子。
帰国後は「文展」などを観て歯に衣を着せぬ批評で当時の大家を斬ったと思えば、
新進作家には暖かい目を向けている…なかなか痛快でした。
当時は“美術批評”のジャンルはなかったようですが、漱石が草分けなのかもしれません。
また、伊藤若冲や俵屋宗達など、当時はまだ今ほど世間の評価が高くなかった作家を、
いち早く評価する審美眼もありました。
1つの事柄から関係を広げていく…こういう展示も
なかなかおもしろい!と1つ1つ丁寧に観ていきました。
※写真は、美術館より特別な許可をいただいて撮影したものです。
≪夏目漱石の美術世界展 東京藝術大学大学美術館 5/14(火)〜7/7(日)≫
≪巡回展 静岡県立美術館 2013年7月13日(土)〜8月25日(日)≫
「その2」に続く。
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