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今年も訪れた、恒例の展覧会。早春によく似合う典雅なお人形さんたちです。
今回の“白眉”は、二代平田郷陽作「つぼみ」。市松人形です。衣装は五世大木平蔵製。
彼の「生き人形」の系譜から、リアルな表現の憂いを帯びた美少女は、
「他の追随を許さない気品に満ちた美しさ」…これは展示のキャプションですが、
私も大いに同感です。
人形らしくない、微かな凹凸が見て取れる肌の質感、頬紅も自然で、絶妙な二重瞼。
伏し目がちの左右の瞼の襞の間隔が、ほんの少し違うというのも、
表情をより自然にみせていました。
口元もリアルで愛らしく、他のお雛様のような「様式美」とは一線を画しています。
衣装の柄もモダンで美しい。
同じ平田郷陽の「凧」は男の子。優しい面差しの男子も、
うっとりしてしまう美少年でした。この2体を観ただけでも大満足でしたが、
ほかには大名行列をする御所人形58体が圧巻。
1体1体がほほえんでいる“丸っこい人形”たちは、
見ていて幸せな気分になれました。
もちろん、いつもながらの大きな雛壇、享保雛、次郎左衛門雛、
有職雛などが目を楽しませてくれました。
お雛道具も、精緻な銀細工、象彦製の漆芸、狩野派筆の屏風など、
高水準の美術工芸品ばかり。
チラシの「立雛」は1815(文化12)年製、でもとっても綺麗に保存されていました。
今日は「ひな祭り」。この展覧会が“私の雛人形”、ということにしておきます。
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