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海峡を渡るバイオリン

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 いつか読みたいと思っていたので、連休前に借りてきて、
一気に読み切ってしまいました。

 バイオリン制作の陳昌鉉氏は、1929年韓国で生まれ、
14歳で日本に働きに来て、そのまま永住。
 
 幼い頃に薬売りが奏でるバイオリンに惹かれ、実家に下宿した教師が持っていた楽器に触れ、
弾きたい・作りたいと思うようになる…。

 苦学して大学に通い、教員免許も取ったのに、国籍の壁が教師になる夢を阻む。
さらに「バイオリン工房への弟子入り」もうまく行かない。

 本当に茨の道なのに、陳さんは力強く、着実に切り開いて行きました。
過酷なアルバイトでお金を貯め、材料調達に便利なように
自分で山に小屋を建ててしまう。外国語での会話も習得。

 そんな彼だから、運命も味方したのでしょう。桐朋音大の教授との出会いが、
バイオリン制作で独立するきっかけを与えてくれて、たゆみない努力もあって、
「東洋のストラディバリ」と呼ばれる地位を確立。本当によかった!

 母国に残した母を想う気持ちには、涙を禁じ得なくて…。第二次大戦後の
南北の対立に巻き込まれ、読むのもつらい凄惨な場面もありました。

 陳氏は2012年に82歳で他界されていましたが、彼の工房はその音大にちかい
「仙川」にあり、その地名で瞬時にコンサートホールを連想しました。
2013年1月、福井晶一さんのソロコン=アベニュー・ホールです。
 確かに、会場に向かう道には、楽器制作、修理などを手がけるお店が並んでいました。

 今日の昼に福井さんの次回作「降板」を知り、打ちのめされてしまいましたが、
この希望にあふれた「旅立ち」を思い出して、
これからもずっと、応援し続けたいと思っています。

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