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きことわ

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 芥川賞受賞後、早い時期に読んでいましたがなかなか感想が書けず、
今週号の「AERA」の表紙で思い出しました。
 著者・朝吹真理子→この名を聞いたとき、あの人!と瞬時に思い浮かんだのは
朝吹磯子=明治の実業家、朝吹英二の息子(常吉)の妻で、日本テニス協会創立者の1人、
とにかく美しい方で…その写真はずっと記憶にありました。
 彼女の大叔母・朝吹登水子(仏文学者)は常吉・磯子夫妻の長女です。

 そして、読んだ感想は…言葉遣いが独特で、情景描写も生き生きと思い浮かび、
波長が合う作家さんかな?と感じ、インパクトは大きくなかったですが、楽しめました。
 一番のインパクトは、彼女の“苗字”だったわけですが…。

 横浜の 「日本郵船歴史博物館」に行った時も、
明治初期に日本郵船のもとになった海運会社を岩崎弥太郎が創設した際の役員の写真に、
朝吹英二氏が写っていました。
 このあたりから連綿と続く系譜なのかと、感心しました。

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 最近知った、図書館利用の広域利用協定。
「新しい本を借りたい」という娘の願いで、初めてお隣の市の図書館に行ってみました。
節電のため若干暗い室内でしたが、新しいカードを作り、早速借りてきました。

 その中の1冊が、この本。
このところTVでしきりに流れている「こだまでしょうか」の詩も掲載されていましたが、
金子みすゞの作品では、やはり「わたしと小鳥と鈴と」が一番知られているでしょうか。

 『鈴と、小鳥と、それから私、みんなちがって、みんないい』

 最初に聞いた時はなんて素敵な表現(視点)なのだろう!と驚いたのですが、他にも

〜けれども海のお魚は何にも世話にならないし
 いたずら一つしないのに こうして私に食べられる
 ほんとに魚はかわいそう〜「お魚」

〜中の雪さみしかろな。 雪も地面(じべた)もみえないで。〜「積もった雪」

〜浜は祭りのようだけど 海の中では何万の 鰯のとむらいするだろう〜「大漁」

 私が彼女の詩を初めて目にしたのはTV「知ってるつもり」(1994年)でした。
すぐに詩集を購入した位、気に入った詩が多かったのですが、
今回、毎日流れてくる“AC”のCMで、その詩を思い出しました。

※別冊太陽「金子みすゞ」(平凡社)129ページより、自筆原稿。

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 どうしてもスクリーンでもう一度観たくて探したら、上映していたのは「下高井戸シネマ」。
初めて行きましたが、居心地のよさそうなミニシアターです。
もっと近ければ足しげく通えるのに…残念。長女と待ち合わせて一緒に見ました。

 前回の映画鑑賞後、原作本を買って読みました。
(原題『Mao's Last Dancer』=出版当初は「毛沢東のバレエダンサー」)。
 映画にはない、中国で過ごした貧しかった幼い頃のエピソードに涙し、
この映画をもう一度見た今回は、さらに深い感動へと繋がりました。

 原作者のリー・ツンシンは、1961年生まれ。毛沢東の存命当時は国の命令は絶対で、
北京舞踏学院に入学後も、踊りの表現まで党の命令に従わなければならないことに、
ダンサーとして、もどかしさを感じることも多かった様子。
 研究生とした渡ったアメリカで、思い切り踊ることと引き換えに、
祖国との絆を断ち切る決心をした、彼の踊りへの情熱こそが、
その後、国際的ダンサーとして上り詰める原動力となったのでしょう。
 
 映画のラストシーンは故郷の小学校の庭でパ・ド・ドゥを踊るところですが、
原作はその後のツンシンのバレエダンサー→振付師→オーストラリアでの現在、
子どもたちのことなどの記述もありました。
 彼はまだ49歳、映画のプログラムの写真はとても若々しくエネルギッシュでした。

 映画でツンシンを演じた、バーミンガムロイヤルバレエ団のプリンシパルダンサー、
ツァオ・チー。彼の踊りを生で見たい!と、
5月に来日するこのバレエ団の公演「眠れる森の美女」に行くことにしました。
 今からとても楽しみにしています。

※映画のラストシーン(プログラムより)

「なよたけ」加藤道夫

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 いつか読んでみたいと思っていた戯曲「なよたけ」。
短編を集めた本を借りたら、偶然、巻末に収録されていました。

 「竹取物語=かぐや姫」のお話が元になっています。
“なよたけ”という美しい娘に恋をした、左遷された官吏の息子文麻呂。
 彼は竹藪に住む娘を訪ねますが、娘は竹薮の精=童たちと楽しそうに遊んでいる…
彼女はとっても純真無垢で、台詞を読んでいると、
それを語る女優さんの声が聞こえてくるよう。

 台詞とト書きを読み進めていくうち、どんどん脳内は「なよたけ」上演中に。
風の音、小鳥の囀り、光の変化…すっかり入り込んでしまいました。
なよたけは○さん、文麻呂は○さん…と勝手にキャスティングしてしまい、
その声で台詞が語られる感じでした。

 作者はこれを昭和18(1943)年の“出征前”に書きあげたと説明があり、
当時弱冠25歳の青年で、これだけのものを書いた才能が、
そのたった10年後に失われてしまったことが、改めて惜しまれます。

 同じ加藤道夫作「思い出を売る男」は、以前劇団四季の舞台で見ましたが、
ぜひ、こちらも原作を読んでみたくなりました。

※このお話が入っていた「美しい恋の物語・ちくま文学の森1」。
 図書館購入88年、私の前に借りた人は94年(17年前)でした…。
 ずっと読まれるのを待っていたのかもしれません。

「写真家」ブーム中

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 「植田正治写真展」を観て以来、ちょっと“写真”や“写真家”に興味を持って
借りてきたのが、これらの本。

●「写真の見方」は、外国人写真家の作品をモチーフに、
時代を追って解説されています。
 大好きなナダールも載っていますし、マン・レイ、ブレッソン、ジャコメリ…
この辺りまでは、どこかで聞いた?という認識でしたが、初めての名前がほとんど。
これからたくさん見ていくと、きっともっと楽しめるのかもしれないと、わくわくします。

●もう1冊、日本人写真家たちの人となりを纏めた「肉声の昭和写真家」は、
元「アサヒカメラ」編集長さんが書かれた本。
 先日観た植田正治をはじめ、昭和の写真家12人の時代と作品は
一気に読み進めてしまった位、興味深いものでした。

 大和路の写真=入江泰吉、懐かしい街並みの写真=薗部澄、太宰の写真=林忠彦ほか、
三木淳、前田真三、秋山庄太郎、稲村隆正、藤本四八、緑川洋一、岩宮武二、
 そして女性を美しく撮る中村正也、彼はあの「江戸っ子芸者一代記」の
中村喜春さんと一時期結婚していたという事実にはとっても驚きました。

 それにしても。写真家さんは“ダンディ”な方が多いのに驚きました。
“美しいものが好き”な方は、自分自身もその美学に叶うように変わっていくのでしょうか。

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