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 副題は「観潮楼からはじまる」。この記念館は鷗外の旧居「観潮楼」の場所に建っています。
以前「鷗外記念本郷図書館」時代に来たことがありますが、27〜8年も前の事
本当に久しぶりの来訪で、先月開館したばかりの真新しい建物が迎えてくれました。

 最初の展示室は、幼い頃からのエピソードが、
彼の作品にちりばめられているものを抜粋して進んでいきます。
 もう一つの部屋は鷗外の次女・小堀杏奴の「パッパの思い出」を中心にした寄贈資料。
以前世田谷文学館で観た「鷗外の娘たち」の展示を思い出します。
 鷗外は杏奴に勉強を教えるための“時間割”まで作ったくらいの子煩悩。
奥様は「美術品のよう」と夫に言われるくらいの美人さんで、確かに森茉莉さんも美しい方でした。

 観潮楼の正門跡に立つと、小高い場所と言うことが僅かに忍ばれ、
建物の隙間からすっくと立ったスカイツリーが、こちらを見ているような気がしました。

★観潮楼で詠まれた和歌の一部。(表記の漢字が原文のままでないものもあります。)
「森鷗外」
文机(ふづくえ)の 塵うちはらひ紙のべて ものまだ書かぬ 白きを愛でぬ

「北原白秋」
春の鳥 な啼きそな啼きそ あかあかと 外の面(とのも)のくさに 日の入る夕(ゆうべ)

「佐佐木信綱」
よろめきて 階段おりしまどろすの 肩すれすれに 燕は入りぬ

「斉藤茂吉」
大き月 朱に入る邊の 朝あけの 海上磯に 梅のちる見る

※落ち着いた雰囲気の併設「モリキネカフェ」で、珈琲と菓子「エリス」をいただきました。

空より高く(重松清)

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 重松清と書かれた本は片端から借りてくるのですが、
待望の新刊。真っ青な表紙、本の小口にまで青い色が鮮やかです。

 ニュータウンの人口増加に伴って開校した高校が
25年経って、閉校となる最後の学年の生徒たちが主人公。
学校の名は「玉川東高校〜タマトン」。なんとなく近所の高校と愛称がダブって、
親近感が沸きました(ここも閉校になっています)。

 主人公は平凡な高校生ネタロウ。友人たちは個性豊かで、
熱血先生や近所の中華屋のおばちゃん、街頭で芸を披露するピエロさんに、
クラスメイトのムクちゃんという女の子。

 学校が終わってしまう、自分たちも卒業する…
そんな2学期に異動してきたタマトン一期生の先生。
熱く語る彼のペースに、周りが巻き込まれていくのは痛快。
 おとなしいムクちゃんが変身していく様子も、
クラスメイトの父親がリストラされてしまうことも、
みんな、暖かい視線が注がれている表現は、落ち着いて読めました。

 大人に「ずるい」とか「逃げている」と言う高校生に、
逃げていいんだよ、と言う、先生や、ピエロさん。
 ピエロは実は女性で、この人もタマトン卒業生でした。

 かっこよくない、どこにでもいる高校生や大人たち=
いわゆる市井の人々。でも日々精一杯生きている、
目立つことなく、褒められもせず、苦にもされず…(どこかで聞いた?)。
 1人1人に物語があって、それは日々連綿と続く。
1日1日を大切にしなくちゃ、と読み終えて心が安らぐ、
さすがシゲマツさんと思う本でした。

※読んだ翌日(昨日)の新聞に“書評”が載っていて、びっくりしました。
 流石、プロの作家さんの評は、それだけで作品のようです。
 ブログを書いていて恥ずかしくなってしまいました。

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 物語は大原美術館の監視員、早川織絵の日常風景の描写から始まりますが、
時間を一気に遡った「アンリ・ルソーの絵の謎解き」の話へ進むと、
一気に引き込まれました。

 『画家を知るにはその作品を見る、何時間も向き合うこと…そういう意味では
コレクターは、キュレーター、評論家よりもずっと向き合っているけれど、
コレクター以上に向き合っている人が居る、
美術館の監視員(セキュリティースタッフ)だ。』

 こんな会話に納得しつつ、物語は織絵が若かった1980年代に遡り、
その中に“ルソーが生きたベル・エポックの話”が挟まれていく。
 劇中劇のような趣のこのお話は心温まる展開で、
洗濯船(バトー・ラヴォワール)に集まるピカソやランボーなどを
生き生きと思い描くことができました。

 物語の中で、ルソーが「自分の方が巧い」と思ってしまったブーグロー、
具体的に天然色のその絵が思い浮かぶのも、堪らなく楽しかった。
(ブーグローは端正な美しい絵→古典主義に近い画風です)
 
 美術館のキュレーター、展覧会の企画立案、名画の真贋の鑑定…
興味深いことが次々と出現、
目が離せない、久々に面白い本を読みました。

峠うどん物語 重松清

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 待望の重松清の新刊を、やっと図書館で借りることが出来ました。
私の場合、リクエストをして待つ、ということはしないため、
出版されてから読めるまで、だいたい1年くらいかかります。

 上下巻いっぺんに読み切ってしまいました。勿体ないとは思ったものの、
やっぱり気になって…。

 重松氏は同年代、この小説の主人公・淑子(よしこ)ちゃんは、娘と同じ中学生…、
彼女を取り巻く両親や祖父母も我が家と同じような年齢構成となり、
物語にあるいろいろな出来事が、余りにも自然にこちらに伝わってきました。

 戦中、戦後を生きて来たおばあちゃんの言葉は、
そのまますっと胸に沁みこむような、暖かくて核心をついていて、
まるで本当の母が語っているようです。淑子ちゃんには祖母になりますが。

 うどんのつゆの温かさを
“絵本でしか知らないランプの灯のようなほんのりとした明かり”に喩え、
“わからないにことはわからなくていいんだよ”など、
何気ない会話に、読みながらいやされていました。

 峠のうどん屋さん夫婦(祖父母)、淑子ちゃんの両親、淑子ちゃんとその友人、
そこにまつわる様々な人々を描いた10のお話からなるこの「物語」。

なんというか、“私が言いたい言葉が全部言って貰えている”ような、
安心感に溢れた読後感に、さすが重松清…と満足でした。

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 題名からしておいしそう。「ケーキの歴史物語」とセットで借りてきました。

 アイスクリームは、みんな大好き。
しかし昔、冷凍庫がなかった時代はどうやって作っていたのでしょう。
本を読むと、薄々想像していたとおり、天然氷に塩などを入れて、そこで攪拌して作っていたため、
本当に贅沢品だった…しかし冷凍技術の進歩の前に、
天然氷を切り出して工場で大量生産するという
予想しなかった時代もあったことに驚きます。

 冷凍技術の進歩とともに価格は下がり消費は伸び続け、家庭にも冷凍冷蔵庫が普及すると、
大きな容器のものを買ってきて家で分けて食べることも日常化。

 それでもアイスはコーンに乗ったソフトクリーム、
棒付きのアイスバー、カフェで食べるもの、様々な形態も残したまま、
今日も世界中で食べられているという。

 大量生産に対し、添加物のない手作りアイスも復権、
ますます多様化して、デザートの王様に地位は揺るぎない、と結ばれています。

 写真も多く、読んでいるだけで楽しい本でした。巻末にはレシピもあって、
私はまだ作っていませんがさらに楽しめそう…でも返却期限が来てしまいます。

 姉妹のような「ケーキの歴史物語」も、
バースデーケーキはなぜ丸いの?とか、ケーキが登場する名作の抜粋
「赤毛のアン」モンゴメリ、「失われた時を求めて」プルースト
「不思議の国のアリス」ルイス・キャロル等、
こちらも大変興味深い本でした。
もちろんレシピ付き。

 アイスもケーキも、そのものを味わうことも大好きですが、
それにまつわる記憶も、甘く優しいものが多いことも、
さらにこれらを愛する大きな理由になっている気がします


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