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 10月に行われたロンドン、ロイヤル・アルバート・ホールのコンサートの様子を
映画にしたもので、12月に近くの映画館に来ると知り、ずっと待っていました。

 コンサートとはいえ、舞台をほぼ忠実になぞりつつ、背景や吊りものはバックの画面で
綺麗に再現(幕が閉まる様子など)され、50人規模のオーケストラが音楽を奏でます。
 舞台では、最前列であってもあそこまで顔のアップは見えないので、
この映画は本当に息遣いがダイレクトに伝わってきました。

 クリスティーヌ(シエラ・ボーゲス)は儚げというよりは、なかなかエネルギッシュで、
“墓場にて”の熱唱は拍手が鳴り止まなかったほど。
 安定した歌唱力はもちろん怪人とラウル(ヘイドリーフレーザー)も同じですが、
ラウルの声は低めに響くバリトン(?)で、私にはラウルより
ファントムを歌って欲しい気がした、力強さでした。
 ファントム(ラミン・カリムルー)もすごい歌唱力で圧倒されましたが、
若くてこちらの方がラウルでもいいかな?と思ったくらい、素敵。

 最初のハンニバルのシーンで、ロイヤルバレエのプリンシパル・セルゲイ・ポルーニン
が縦横無尽に踊るシーンも味わえて、さらに素晴らしかった。

 クリスティーヌの衣裳で、ラウルと「All I Ask of You」を歌う時が
“薄いグリーン”のマント、墓場にての時は“青”と、舞台より種類が増えていました。
映画版ではマントは“深紅”で、女優さんの雰囲気に合っていましたが。

 そして舞台から怪人が消えたラストに引き続き、A・L=ウェバー氏が登場して挨拶、
スタッフ紹介の後は、歴代ファントム+サラ・ブライトマンの歌が聞けるという
ゴージャスなコンサートがプラスされて、3時間ほどの映画は終わりました。
 四季の舞台もいいですが、このキャストの生の舞台も激しく観たくなってしまいます。

※マリア・ビョルンソンによる舞台装置も華麗、ウェバー氏は挨拶の中で
 亡き彼女についても感謝のコメントをしていました。

ゲーテの恋

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 文豪ゲーテの「若きウェルテルの悩み」は、こうして生まれた…という映画。
若いゲーテの“恋物語”は、もしかしたら文豪ゆえに欝々とした重厚なものかと思いきや、
初々しくてテンポが良くて、なにより恋人のロッテがとってもチャーミング。
 これではゲーテがほれ込むのも無理はないなあ…と
彼女の母親世代の私が観ても納得の、いいお嬢さん。
 以下、ネタばれありです。


 弁護士志望のゲーテは、司法試験は落第の、ちょっとやんちゃなお坊ちゃま。
ダンスパーティーで誤ってゲーテにワインを掛けてしまったのが、ロッテ。
その後教会の聖歌隊で歌う彼女と再会し、家に訪ねて行きました。
 
 幼い弟妹がたくさんいる中でパンを焼き、切り分ける、生活感溢れる快活な彼女、
実は文学少女で、ゲーテの作る詩にもほれ込み、2人は恋に落ちる…。
 同じ頃、彼女の父親は、裕福なゲーテの上司のとの“縁談”を勧め、
板挟みの彼女は悩み、ゲーテも苦悶し、上司と決闘して検挙されてしまう。
 
 拘留期間中、牢獄で看守に紙を貰い、ロッテに当てて“思いの丈”を
切々と書き綴ったのが、この“若きウェルテルの悩み”。
完成したものを彼女に送り、ロッテはこれを読みますが、父の言うとおり、
貧しい家を助けるために上司と結婚。

 悲しいお話か…と思いきや、傷心のゲーテが故郷に戻ると、書店には人だかり。
原稿は燃やすようにというゲーテの命令を無視したロッテが出版社に持ち込み、
出版された“若きウエェルテルの悩み”は、ベストセラーとなっていました。
 嬉しそうにサインに応じるゲーテ、満足そうな彼の父親。
観終えたあと、こんなにすっきりと感じる映画はなかなかありません。

 子どもをもうけたロッテとゲーテは、その後1度だけ再会したと、
エンドロールに書かれていました。
地味な感じの作品ですが、ドイツの風景も美しくて、お勧めです。

ベニスに死す

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 印象派のモネの絵を彷彿とさせる冒頭シーン。夜明けの海に浮かぶ客船には
作曲家のグスタフ(ダーク・ボガード)が乗っています。静養のために訪れたのは
ベニス。同じホテルに宿泊する一家の少年に一目惚れをしてしまった彼が、
少年を観るために最初はさりげなく、最後は追い求めるように嵌っていく…。

 原作ではギリシャ彫刻と評された美少年タジオ(ビヨルン・アンドレセン)。
スクリーンの中の彼は、神々しいまでに美しく、ふり向きざまにふと浮かんだような
“曖昧な微笑”は、予想以上に鮮烈でした。

 この作品はスチール写真ではずっと前から知っていましたが、スクリーンで観たのは
もちろん初めて。マーラーの音楽にどっぷり浸りながら、台詞が極端に少ないなか、
ホテルのロビーのざわめき、海岸で遊ぶタジオを包む遠い潮騒をバックに、
比類なき美しさの若人と、老醜を晒しながら彼を追い求める作曲家グスタフの対比は、
自分自身がこの“老い”に近い分、残酷な感じも受けました。

 金髪のタジオが纏う真っ白なルパシカ、セーラー服(紺と白)、金ボタンのジャケット、
名画のような美しい場面はクローズアップを多用し、監督もこの『美しさ』を
たっぷり表現したかったのだろうと思われますし、観客もただ息をのんで見詰めていました。

 ニュープリント版ではありますが、デジタルリマスターではない分、
幾分“靄がかかったような画面”が、この作品には似合っているようで、
母親の豪奢な衣装も、ノスタルジックな水着の少年たちも、みんな別世界の出来事のようでした。

 最後のシーン、海辺のタジオは何を指差していたのでしょうか。
観る人によって解釈がわかれそうですが、私はグスタフを“さあ、天国へ”と
導いているような気がします。
 彼にとっては“天使”も同然のタジオだったから…。

※小型ですが読み応えが有る、シックな表紙のプログラムと、
 読み返したくなった文庫本。

コクリコ坂から

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 今までジブリ作品を映画館で見たことはありませんでした。
「となりのトトロ」や「魔女の宅急便」は、娘たちが幼いころ、
ビデオで台詞を覚えてしまうくらい見ていましたが…。

 映画が始まると、スクリーンに映し出された懐かしい感じの洋館、
そのダイニングの赤い椅子を見て、始まって1〜2分でもう涙が…。
一気に入り込んだその理由は、椅子が昔使っていたものにそっくりだったから。
 他にもタイルの流しの光沢、絞り出し機付きの洗濯機、お店の看板や木造建築、
私の年代にとっては、それだけで胸がいっぱいになりました。

 加えて物語の舞台となる港南高校の校舎。鉄筋コンクリート造りでも、
サッシ(窓枠)は鉄製で、重たそうな質感です。
 そして“カルチェラタン”と呼ばれる部室は時計台があり、
色ガラスが嵌った大好きな擬洋風建築で、さらに気分は高揚しました。

 主人公は、母が不在の間、下宿人の賄いを引き受ける高校生、海(うみ)。
精一杯の毎日ですが、夢の中でおかあさん…と抱きつくところは、
健気な彼女の心情を思い、涙でスクリーンが全く見えなくなりました。

 高校の先輩との淡い恋はさりげなく描かれ、秘密は本人の口から
あまり深刻ぶらないで話される…私にとってはこのようなさらっとした展開は好みです。

 登場人物はみんな情に厚くいいい人たちばかりで、横浜の風景も美しく、
見終えた後、ああよかったなあ…と、しみじみと思えた映画でした。

 普段見ないアニメをなぜ観に行ったのか?それには訳があったのですが…
明日へ続く。

海洋天堂(映画)

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 先日、映画館で予告編を見て興味がわき、都内に行った日に観てきました。
アクション俳優の印象のジェット・リーが慈愛に満ちた父親を演じていますが、
興味を持った原因は息子役ウェン・ジャンの演技でした。

 自閉症の青年が自立を目指す…韓国映画「マラソン」(2005)を思い出します。
主演のチョ・スンウは映画とミュージカル俳優、どちらも実力派だったことを後で知り
彼のファンになったことが、ミュージカル観賞への糸口になりました。

 この映画では母は既に亡く、父と息子の2人暮らし、その父が癌で余命が少ないと知り、
なんとか息子を自立させようと一生懸命にいろいろ教え込んでいきます。
 ゆで卵の作り方、バスに乗ったら「降ります」と大声で告げること…。

 懸命な父に反し、天真爛漫な息子大福(ターフー)。父は水族館の管理をしているので
息子はいつも水槽やプールで気持ち良さそうに泳いでいました。
 父は自分が亡き後、息子がさびしがらないよう、「父さんはウミガメなんだよ」と
ウミガメに見えるよう、ザルを甲羅に見立てた張り子を作り、プールに入るも、
体力が落ちていて、沈みそうになってしまい…もう、見ているほうは堪らない。

 息子を演じたウェン・ジャン、指先をパラパラするしぐさや、小首をかしげる所など、
時々はっとするほどチョ・スンウに似て見えました。自然な、見事な演技です。

 周囲の人たちもみんないい方ばかりで、天国に行ってしまったお父さんも、
一人でバスから降りられるようになったターフーを温かく見守っていることでしょう。

 この日はレディースデイだったためか、映画館(シネスイッチ銀座)はびっしり満席。
TVで紹介されたこともあり、前評判は上々だった様子です。
ただ、泣かせる映画、というよりは淡々と静かな感動を呼ぶ映画という印象です。

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