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ピンクを基調としたチラシはとても目を惹き、 |
美術
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チラシなどになっている「ビー玉の自画像」は この中ではおとなしい絵で、若い頃よりも年代が進むにつれて、 写実の腕は冴え渡り、そこへ“空想や幻想・妄想の世界”が混ざり、 それはそれは、おどろおどろしいものに…。 卓越した油彩の写実表現で、細密な背景をきっちりと描き、 夥しい人間たちの“阿鼻叫喚”は、目を凝らすと怖くなります。 私はミケランジェロの最後の審判や、最近みたエル・グレコの 宗教画を思い出すのですが、彼が敬愛するのはレンブラント。 「R氏の像」として、何度も題材になりますが、 顔は牧野氏自身に近いような。 そのほかにもいろいろな「自画像」は、本当にたくさん。 見終えると、その「牧野氏の顔」が頭の中をぐるぐると周り、こんなに 「酔いそう」とか「夢にまで出そう」と思う展覧会も珍しい、 不思議な感覚でした。 初めて知った“牧野邦夫という画家”のインパクトは強烈。
やはりこの美術館、展示の企画は ピカイチだな…と思いました。 |
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まず、チラシの美しいルノワールの絵に惹きつけられます。 バラ色の頬をした若い女性と、胸やブーケのバラの花。 風景画・花・美しい少女や女性の肖像が並ぶ会場の雰囲気も、典雅。 全73点の粒揃いの名品は、一番多いルノワール(22点)ほか、 コロー・ピサロ・モネ・ドガ・シスレー・ロートレックは複数、 1点だけがマネ・モリゾ・カイユボット・ドーミエ・ブグローなど。 印象派のふんわりとした色使い、一見荒い筆触に見えて、 少し離れると、とっても生き生きとした描写になる、 まるでマジックのような作品たち。 総じて落ち着いた、優美な作品ばかりのこの展示は、 まさしく目の保養となり、幸福感に浸りました。 ルノワールの「たまねぎ」は、ゴッホのタマネギとは違い、 ほんのりピンクかかった、果物のようだったし、 「鳥と少女」は、柔らかい色調とこちらを見つめる瞳が愛らしく、 毎日眺めていたいだろうなあ…と思えました。 初来日の作品が多い中「団扇を持つ少女」は、2010年に国立新美術館で開かれた 「ルノワール展」のメインで、チラシの写真になっていたのは良く覚えています。 また会えた…と懐かしく、ジャポニスムの香りを再び味わいました。 “三菱一号館美術館”は、建物も“雰囲気”があって、「シャルダン展」や
「モダン・パリ」という素材の展覧会は、本当にぴったりでした。 |
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国立近代美術館蔵の「エロシェンコ氏の像」(重要文化財)を描いた 「夭折の天才画家」という認識の彼の、短くても充実した生涯を 詳しく見ることができて、さらに感動が深まりました。 しかし17歳で結核を患い、大きな絵は 立って書かなくてはいけないから大変…というエピソードは、痛ましい。 中村屋の長女俊子との恋は、「少女の絵」として後生に残りましたが、 成就しなかった…彼女の結婚を知って落胆したらしいのですが、 彼女も結婚後数年で、26歳で病没…そのたった4年前に世を去った 彼も予測できなかった、悲しい事実です。 彼が描いた下落合の風景や「田中館博士の肖像」なども、 動きのある筆致と心地よい色彩で、 やっぱり天才なのだな…と、その早世が惜しまれてなりません。 彼の追悼を特集した当時の雑誌も電子データで読めるようになっていて、 会津八一氏が面会し、手紙のやりとりがあったことも知りました。 37歳の生涯のぎゅっと凝縮した画業、今度は「アトリエ記念館」にも 行ってみたいと思いました。 ※展示は先週、12日まででした。
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会期末の駆け込み鑑賞でしたが、 |





