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朝倉彫塑館・その2

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 「彫刻」を見に来たはずなのに、その建物に魅了されてしまいました。

 公開されている順に、でアトリエ、書斎、応接室、天王寺玄関、居間、茶室、寝室、
素心の間、蘭の間、朝陽の間、他に屋上テラスですが、
最初の3室以外は全部和室です。

 応接間の次に「天王寺玄関」=この家の本当の玄関ですが、この天井は
斜めの格子に張られ、職人泣かせだったとか。
靴脱ぎ石も、外の踏み石も凝っています。

 茶室は床柱のひび割れをはたきの柄と石膏で補修するという個性的な対応、
それぞれの部屋に植木鉢や青銅器などのコレクションも飾られて、
目を楽しませてくれます。

 一番大きな「朝陽(ちょうよう)の間」は、瑪瑙を砕いて混ぜた薄紅色の壁、
一枚板の床の間、欄間も一枚板という贅沢さ。
 天井は掘り出された神代杉(隙間がある)を杉皮で裏張りして使用、
同じ杉は建具(障子)とお揃いなど。

 床の間はアールの多い仕上げですが、みごとな左官仕事です。

 大きな丸い座卓は朝倉文夫の設計。ここでどんな会話が交わされたのか、
想像するのも楽しい。

 外壁は茶色のスクラッチタイル仕上げと、屋上の立ち上がりの内側で気づきました。
外から見える部分は黒く塗りつぶされて、
さらにモダンな和洋折衷な雰囲気でした。

 ここの音声ガイドは200円ですが、内容が濃くて
行ったら絶対借りた方がいい!とお勧めします。

 季節が移ったらまた朝イチで訪れて、和室で心静かに過ごしたいと思っています。

※ほとんどが撮影禁止で写真がないので、記事とは関係なく、これは我が家の庭の花です。

朝倉彫塑館・その1

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 ここを知ったのは3年くらい前になるでしょうか。
今年、4年にわたる改装工事が終わって、やっと見に行くことができました。

 朝倉文夫といえば「墓守り」が思い浮かび、近代日本彫刻の大家であり、
彫刻家として最初の文化勲章受賞者。
 朝倉彫塑塾を主宰し、ここはその学びの場でもありました。

 戦前の鉄筋コンクリート建築=モダンなのかな?と期待して行ってみたら、
なんと、アトリエや書斎以外の居住空間は超一流の数寄屋造りでした。

 入って最初に、天井の高い「アトリエ」があり、コンクリート打ちっ放しの壁に
真綿を混ぜた薄黄色の塗料が塗られ、暖かな感じです。
 大きな彫刻を作るための昇降機(舞台の奈落みたいなもの)もあり、
大隈重信像が置かれていました。

 「書斎」は天井までぎっしりと蔵書が…。東京美術学校時代の恩師の蔵書が
売られて散逸するのを惜しみ、家を抵当に入れてまで買い取ったということでした。

 展示物の中でも「猫」だけを集めた一室には、とっても和みました。
多いときには10匹も飼うほどの猫好きだったそうです。

 屋上には庭園=菜園があります。1930年代の屋上緑化は日本最初?
ここも彫塑塾の生徒が野菜を作っていましたが、土が浅く、
大根が直角に育ったという逸話も聞きました。

 中庭庭園もすばらしく、大きな石の間を錦鯉が泳いでいるのを
「御大尽な気分」で眺めていました。

 「数寄屋造り」については、その2へ続きます。

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 自由学園明日館の毎年楽しみに受講している講座、米山勇先生の
日本近代建築の造り手たち、今年はとうとうここまで来た、という
丹下健三・菊竹清訓・黒川紀章の3名。

 思えば初年度はカペレッティ・ボアンビルなどのお雇い外人、
2年目が辰野金吾・片山東熊・曽根達三、それから妻木頼黄等〜岡田新一郎・渡辺仁〜
前川国男、そして今年。毎年楽しく聴いてきました。

 しかし丹下氏は盛りだくさんすぎて、予定を30分も超過する熱の入り方。
先生が学生時代はバリバリ現役の建築家だったのだから無理もありません。

 学生時代にコルビュジエの作品に衝撃を受けて建築家を志したということ。
 「聖なる軸線」と呼ばれる、広島平和公園及び記念館計画(1949)は、
それ以前も大連市公会堂(1938)や、大東亜建設記念増絵計画(1942)に
現れていました。

 晩年作品=東京都庁も記憶に新しいところですが、戦後の広島平和資料館、
香川県庁など見たことがない建物も多く、特に広島は
いつか行きたいと今回のお話を聞いてさらに思いました。
 
 丹下氏を表した短い言葉を米山先生が資料の冒頭に集めてくれたものの中に
建築史家・鈴木博之氏のものもあり、この2月に急逝されたことを
とても悼んでいました。
 最後にそれを記しておきます。
「丹下健三が描いた軌跡は日本の前衛建築家としてのそれであった。
彼の死はひとつの時代の終わりを画すものであった」

※丹下氏が表紙の雑誌です。
借りてきた図書館名を隠しているのは、世田谷美術館×高島屋コラボのメモ帳でした。

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 再開2回目の講師は、カリスマ左官士の久住章(くすみあきら)氏。
 実は前回も顔を見せてくださっていて、その柔和な雰囲気に驚いていたところでした。

 今回も、駐車場には全国各地のナンバーが散見できるくらいの有名な方なのに…
やっぱり優しげな語りで楽しく拝聴してきました。

 ですが、壁の土の産地が名前になっていることすら朧げな「ど素人」なため、
専門用語が混じる説明についていくのが大変。
 全部わからなくてもなんとか聴くことはできましたが途中参加者
(たぶん職人さん)から、“そんな言葉は説明しないとわからないよ〜”と
声が飛ぶくらいでした。

 久住さんが遠山邸に初めて来たのは29歳の時。1948年生まれと伺ったので、
1977年=昭和52年頃でしょうか。子供時代の私も当時何度か来たことがあります。

 さて、稲荷山黄土、大坂土、さび聚楽などの土の名称は、
さらに「墨さし天王寺」など多種に渡ります。名前を聞いても
そのものが思い浮かばないのが素人の悲しいところです。

 それでも遠山邸の壁を見ながら具体的に説明をしていただくと、
その仕上げの見事さは目の当たりにできて、大変楽しい時間となりました。

 会議室に戻り、土を加熱して変色させる実験も行っていただきました。
黄色から赤へ、確かに色は変化し、仕上げで磨き、艶やかな赤い壁になるのだと納得。

 興味深かかったのが「ほたる壁」といわれる、ドット模様の壁。
半年お醤油に漬けておいた小さな鉄の玉を壁土(稲荷山黄土)に混ぜて作ります。
錆が出て周りを酸化させて色が変わる…数年かかって。
 いずれ鉄の玉は落ちてなくなってしまい、水玉模様はそのまま残ります。

 鉄の形を玉でなく切りかすのような形で“蝶”を思わせる模様も作るのだそうです。
酸化を進めるため、壁土にも醤油を混ぜたりする=外壁の場合。
室内ではお醤油の匂いがしてしまうから。

 遠山邸の茶室の壁「墨さし天王寺」は、築80年を経て、
はっきり模様(下塗りに反応して桟を残して黒く変色)が見えますが、
下塗りにだけ切った藁を混ぜて酸化させ、表は天王寺土で塗ってあるので、
築20年くらいではまだ模様は薄かったようですが…、
そんな先のことを考えて作る数寄屋造りって凄い!と、改めて感じました。

※庭園の緑が雨に濡れてとっても綺麗でした。

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 しばらくぶりに再開した「暮らしと建築の美」。
 前回シリーズでは建築家の隈研吾氏、伊東豊雄氏、建築史家で
明治村村長も務めていた故鈴木博之氏らのお話を伺えて、本当に幸せでしたが、
今回は設計や建築史ではなく、施工側の方々のお話。

 第一回は数寄屋建築の第一人者中村義明さんの「木造建築の現代的意義」。
 建物を作る人は、その最終形をイメージできるようになれ、ということ。
入れ物(器)を作るにはその中身を知ることが大事。

 地震の国に居るということを再認識した東日本大震災。
明日のことがわからないなら…やりたいことをしよう、と思ったそうです。

 作品「俵屋旅館」「和久伝」の紹介もあり、行ってみたくなります。
 真行草と、基本をふまえて崩していくデザインの冴えも観ることができました。

 会議室から遠山邸の茶室に移動してのお話の続きは、
茶室=狭い部屋で話をすると親密さもあって、断れない
=交渉ごとに使われた、という見方はおもしろいな、思います。

 なお、遠山邸を作った大工さんは、気仙(宮城県気仙沼)大工
=舟を作った人では、という見方もできるというのは、興味深いお話でした。
 この邸宅は昭和初期のもので、纏まった仕事としてあちこちから
腕のいい大工さんを集めたのでしょう。

 羽田空港国際線ロビー「お祭り広場」の数寄屋建築は、東京五輪に向けて
さらに盛り上げようと、かなり本格的な作りになっているそうです。
 淀みなく展開されるお話に聞き入って、メモを余り取らなかったため、
散漫なレポでお恥ずかしい…。

 講演後、学芸員さんからこの邸宅(1936年竣工)のガラスについて伺ったこと。
 ピッツバーグから船便で輸入された、当時最新のこんなに大きくても
ゆがみのないもの…80年前のガラスはもちろん今も1枚も割れずに
目の前にありました。

 もう何度訪れたのか?という遠山邸ですが、奥が深くてまだまだ楽しめそうです。

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