建築

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 上野駅公園口を降りると正面に在る“東京文化会館”。
何気なく通り過ぎようとしたその時、目に入ったのが、ガラスに貼られた告知
50周年記念展「前川國男と東京文化会館」「20世紀のマエストロ100人」。
観たい!と美術館に行く前に、急遽入場。

 まず、小ホールへ向かうスロープの壁面には、木之下晃氏撮影による
錚々たるマエストロの写真が100枚!
 マリア・カラス、カール・ベーム、小澤征爾、ヘルベルト・フォン・カラヤン、
アルフレート・ブレンデル、ヴァン・クライバーン、フィッシャー・ディスカウ、
ジョン・サザーランド、マルタ・アルゲリッチ、ルチアーノ・パヴァロッティ、
プラシド・ドミンゴ、キャスリン・バトル、ジェシー・ノーマン…
(なんとなく抜粋したお名前、ほぼ掲載順)
 もし見たことがある公演のものだったら、感動が鮮やかに蘇ることでしょう。

 そしてホワイエには文化会館設計者・前川國男氏の
竣工記念パンフや新聞記事の直筆原稿、スケッチ、工事中の写真、創建当初空撮写真、
緞帳の下絵、地質標本、装飾・床材のサンプル。
文化会館の精巧な模型(生誕100年記念展で製作)など、
貴重なものがたくさんあって、来てよかった〜と、じっくり見入りました。

 会場の担当の方からとても内容の濃い小冊子(写真)も頂いて、
パンフに寄稿された前川氏の文章を何度も読み返すことができました。
世界のマエストロの写真も小さくですが、100人全部紹介されています(嬉しかった!)。

 展示は11月22日まで、概ね10時〜4時(小ホールで公演がある時は自由に入れません)。
 文化会館のHPにもあまり詳細が載っていなかったのですが、
もっともっと宣伝して欲しい、素敵な展示でした。

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 研究会第一部の「講演会」は管理棟の会議室で行われましたが、
第二部は邸内の広間に場所を移し、アーティストトーク、
山本三千子先生の「室礼(しつらい)」のお話。聞き手は武蔵野美術大学教授の新見隆氏です。
 
 まず、新見氏のお話から始まりました。
森羅万象感じ、響あいながら、生活を大切にしていくことが日本の文化、
1936年に桂離宮を見たブルーノ・タウトは日本の“数奇屋”が民衆にもあることに
感心した…と、話されました。

 そして室礼(しつらい)のお話は山本先生。
飾られた室礼は、まず囲炉裏の間の神棚に米・塩・榊・酒、
「あえのこと」*米俵・大根・魚・煮物・甘酒・飯。
囲炉裏には“燃える火”を表す柿。
 そして大広間の床の間には、遠山元一氏の母が好んだという渡辺崋山の掛軸と
糸瓜・茄子・和合果(百合根)・龍乳果(葡萄)・あけびつる・石榴・林檎を盛ってあり、
畳廊下には「月見」(写真)。大きな鉈豆がありました。
 
 家庭の中で年中行事(ハレの日)に、人間の生死、母と子、憧れなどを植物で表現、
「植物は我々の師」なのだそうです。
 植物で願いを表現することがこんなにも美しく見えるなんて…いつまででも観ていたかった。
 
 また、このお話を伺った大広間の欄間のタテの桟が天上と繋がる垂直線と捉えることができ、
庭の松の木は、座敷に座った視線でぐっとこちらに入ってくることなど、夢中で聞き入りました。

 最後に、現在の遠山家当主の、遠山公一氏が挨拶をされ、
この日の聞き手の新見氏と、慶大仏文科で同級生でしたと紹介されました。
現在はルネサンス美術が専門の慶大文学部教授をされている、とっても上品な紳士です。
 そして公一氏の父は、遠山一行氏と帰宅してから知り、びっくり…。
音楽評論で有名なこの名前はかなり以前から知っていて、
芸術の分野で連綿と続く素敵な家系だな…と思いました。

*収穫に感謝する行事。

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 「暮らしと建築の美ー遠山邸研究会ー」発足、という興味深いチラシを
歴史と民俗の博物館で入手し、第一回のこの日を、心待ちにしていました。

 第一部は講演会「数寄屋邸宅建築の粋」について、京都大学名誉教授・宗本順三先生のお話。
写真の投影をたくさん使ったわかりやすいお話でした。

 近代の邸宅は海外から入ってきた洋風建築も多かったのですが、それと対をなす「近代和風」。
 ここで“近代建築”とはという話題になり、いきなり出てきたル・コルビュジエにびっくり。
5つの要点(ピロティ・屋上庭園・横長窓・カーテンウォール・ドミノ構造)、
サヴォア邸(1929)の写真もありました。

 ここから“『いき』の構造”(九鬼周三)の話となり、いき(粋)→意気地…
いなせ・やせ我慢・伝法・気品・品格などの言葉を連想。
華やかなものの残像、鼠色などが“粋”の色。

 近代和風の数寄屋造りが並ぶ、京都東山邸宅群。(無鄰菴、清風荘、對龍荘など)。
数寄屋は“数奇屋”とも表記され、手間を惜しまず人手をかける…でもそう見せない。
それが“いき”なのでしょうね。
 和風庭園を手掛けたのは小川治兵衛(植治)。何気なく見えて、育ち続ける植物の管理は
手間と費用が掛るもので、庭園を美しく保つことは本当に大変!と力説されました。

 同様にこの「遠山邸」も贅を尽くした造りで、もっと評価されるべきだし、
できれば庭園も当初の状態に再整備したら更によい、とのことでした。
 遠山邸で使われている“面皮柱・玉杢・鞍馬石・那智黒石”など、
初めて聞く言葉は新鮮な響きで、材料の産地にも興味がわきました。

 宗本先生はときおり柔らかな京都弁を思わせる言葉遣いでユーモラスに語り、
難しい内容もありましたが、とても楽しい講演でした。
 第二部に続く。

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 入間に「西洋館」があるらしい…以前何かで観た記憶があったのですが、
地方紙の一面にカラーで紹介され、早速その一般公開に足を運びました。
所在は、西武池袋線入間市駅から徒歩5分ほどの入間市河原町。

 この建物は、生糸の生産で財をなした石川幾太郎氏の迎賓館として建てられました。
竣工時期が明らかではないのですが、1921(大正10)年の上棟札が残っています。
 「石川組製糸」は戦前の恐慌で解散したものの、この建物は戦後の進駐軍接収を経て、
石川家に返還〜寄贈されて現在は入間市の所有となっています。

 しかし本格的な改修はまだで、日時を限っての公開になっています。
中でも年に数回の2階まで見られたこの日、思いのほか沢山の見学者が訪れていました。

 外観は光沢があるレンガタイル張り。煉瓦造りとは違う近代的なイメージです。
中へ入ると右手に階段があり、窓から光が差し込んで、いい雰囲気。
 左は食堂になる大きな部屋。天井の作りが凝っています。他、1階は応接室と寝室。
部屋にはこの建物を設計した室岡惣七のこと等のパネルが展示されていました。

 2階は和室と大広間。広間のステンドグラスは三崎彌三郎作。
国立科学博物館のグラスモザイクも彼が手がけたそうです
 そして創建当初のままの、大広間のカーテンボックスのカバー(写真)。
色褪せはあるものの、それぞれ違う図柄のビロードは、
大正時代にはさぞ美しかったことだろうと思われます。

 大広間のベランダ部分は、進駐軍の接収時代にキッチンに改造されたということで、
鮮やかな黄色の照明器具とGEの冷蔵庫が残されていました。

 施設担当の方はとても親切で、気持ちの良い見学ができました。
この日、傷みがひどいからと非公開だった「貴賓室」をはじめ、
建物全体の本格的な改修が実現することを願っています。

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 先日、銀座で映画を見ようと、5時に過ぎにチケットを買いましたが、
開演は6時25分。それまでどうしようかな?と、歩み出したら
偶然見つけたギャラリーは、テアトルシネマのすぐ近く。

 先日読んだばかりの「きれいな風貌」の“西村伊作”の文字に惹かれて、
さっそく入って見ることにしました。

 マルチな才能の持ち主、西村伊作でしたが、やはり設計した建物も素敵。
当時の住宅は、“客間”をいちばんいいところに造るのが当たり前だったのに、
日当たりの良いところが食堂・リビング。
彼が今の住宅の配置の先鞭をつけたような気がします。
 
 山本有三記念館にもあったイングルヌック(暖炉を囲むくぼみ)も設えてありました。
ここでも“団欒”を重視したことが覗えます。
 家族を大切に…彼の孫(娘婿・建築家の坂倉準三*の子息)、坂倉竹之助氏の回想にも、
彼が残したものは建築作品とともに“家族と過ごした楽しい記憶”なのだそうです。
 なるほど…と、展示パネルの前で大きく頷いてしまいました。

 住む人を中心に考えた、生きることを楽しめる家。自邸のほか個人の住宅、
教会や幼稚園も設計し、現存する建物の写真、家具も、みんな簡素ではあるけれど
やさしい感じの家でした。

 さらに嬉しかったのは、伊作と妻とで考えた「子ども服」の再現があったこと。
 小花柄の細畝コーデュロイを、明るい青のベルベットと組み合わせ
ハイウエストにタックを取ったり、大きなリボン状になっていたりと、
とってもモダンで、今でも十分おしゃれです。

 西村伊作、その底知れない“ハイセンス”はまだまだ興味が尽きません。

*坂倉準三と言えば、岡本太郎とパリで撮った2ショット写真を思い出します。
 撮影者はロバート・キャパ…このパリ時代に伊作の娘さんと知り合い、結婚。
 芸術家たちの繋がりは、あの時代、既にグローバルだったようです。

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