|
この日の講師は、建築家・隈研吾氏。 |
建築
[ リスト | 詳細 ]
|
「自由学園明日館」の米山勇先生の講座「様式の名手たち」。 3回目は渡辺仁(わたなべじん)。代表作は、第一生命館(1938)、 東京国立博物館本館(1937)、服部時計店=銀座和光(1932)、 ホテルニューグランド(1927)以上は現存、 日本劇場(1933)、商工省燃料研究所(1921)=取壊し。 渡辺仁は、東京帝大教授で冶金学者の父を持ち、東京帝大〜鉄道院・逓信省を経て、 1920年に自身の「建築工務所」を開きます。1回目の佐藤功一、 前回の岡田信一郎と違い、大学で教鞭を取ったことはありません。 彼の作品の内部空間の“上品さ”は、他の追随を許さない…。 東京国立博物館の玄関〜階段の空間は、現在でも映画・ドラマやCM撮影に多用されています。 しかしこの“帝室博物館”は、コンペで日本風にという指示が出ていたにもかかわらず、 箱型のモダンな案を出した前川國男の“華麗な敗北”が話題になりました。 この日、幾つかの彼の作品の写真が載ったレジメを見ながら、やはり印象が強いのは 初期の「燃料研究所=通産省公害研究所」。川口駅の近く(現在はリリア)にありました。 小学生の頃、塾に行く途中、ツタが絡まったお化け屋敷みたいな怖い建物…と 思った印象が強烈でした。1980年代後半に取り壊しになってしまいましたが、 現存時代を観られて幸せだったと思います。 渡辺仁は「第一生命館」で、列柱と建物をほんの少し離して、そこに 空間を設けています。岡田信一郎の名作「明治生命館」には空間がありません。 今度是非行って、確かめて来たいと思います。 ※先日行って来た、東京国立博物館本館。
日本美術の至宝を収めるのにふさわしい“風格”が漂います。 |
|
明治10(1877)年に来日したジョサイア・コンドルは、 |
|
「時代を駆け抜けた芸術家たち」という副題が付いています。 ここで見ることができる佐伯祐三・朝倉文夫・梅原龍三郎・岡本太郎らの作品も見応えがありましたが、 「見に来てよかった!」と思ったのは、 展示の冒頭、美術館ができるまでの解説が素晴らしかったからでした。 最初の公立美術館設立基金として、当時の100万円(現在の約32億円)を寄付した 炭坑王・佐藤慶太郎。彼は生活改善の会(新興生活)も主宰し、その本部は 今の「山の上ホテル」の建物だったという…なんて素晴らしい人物。 1926年竣工の本館設計者は岡田信一郎。様式の名手は、装飾はもちろん、機能にもこだわり、 採光は天窓のみの「無窓壁」(むそうへき)を採用。 貴賓室の家具は梶田恵(かじためぐむ=男性)デザイン。あの「明治生命館」も同じコンビです。 岡田氏の設計図には息を飲みました。やはり直筆はすごい… ついこの間、建築の講座でコピーをみたばかりのものの本物。緻密な線描でした。 梶田氏の家具も繊細な装飾、加えて小川三知(おがわさんち)のステンドグラス。 旧館から外して保管されていたものは、その色合いがシックで、美術品の趣でした。 旧館起工式〜竣工当時の外観、内装の写真もあって、 時間をとってじっくりと見てきました。 この旧館に関する展示は、ケースも木製の当時のものという、粋な計らいでした。 新館(1970)設計は前川國男。煉瓦タイルのシンプルな箱形の外観ながら、 周囲の環境に過不足なく溶け込むのは実はとても凄いこと…最近ようやくわかってきました。 こうした建物の展示の後が、名作揃いの『絵画』の展示でした。 レオナール藤田が描いた「真珠湾攻撃」の絵は衝撃でしたが、時代の要請だったのでしょう。 この展示は無料。なんだか申し訳ないくらいの盛りだくさんでした。 |
|
「自由学園明日館」の米山勇先生の講座「様式の名手たち」。 |




