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2008年夏の終戦関連の読書需要を狙った元大本営参謀瀬島龍三氏の 関連本のようです。 発売当初私は20ページ程、立読みしましたがしっくりこなく購入しませんでした。 立読み時点で驚いたのは瀬島龍三の礼讃本ではなくどちらかいえば全体に批判的な 内容でした。 著者の新井氏は東急エージェンシーという国内3位の広告宣伝会社の社長時代に 瀬島氏も東急グループの仕事をしており役員室が隣りでよく食事や話し質問をした との事でかなり期待を持たせる内容で、部分的には面白い話題も出てきますが 最後まで読んでみてがっかりという内容でした。 著者は 「瀬島の性格を次第に把握した私は,瀬島の本音を引き出すテクニックとも いえるものを身につけた」等と自身満々に書きますが、瀬島が応えた内容は 名著「ある参謀の昭和史」の巻末インタビュー同様に読めば読むほど消化不良 になります。 警戒心のつよい瀬島氏でも著者新井氏にはかなり心を開いて多くの事を語り 多くの著者の質問に答えたとありますが私に瀬島氏は肝心な事は封印してる ように思えました。 瀬島氏のスタンスはいつも「嘘は語らないが真実も喋らない」ですから いくら著者が瀬島氏と深く知りあえても「心の闇の核心部」に触れる事は 敵わなかったのでしょう。 残念ながら資料?となっても史料とは呼べる読み物ではありません。 しかし多くを語らぬ瀬島氏が「答えた」曖昧な内容を著者は推測につぐ推測で 瀬島氏の生き方人物像を正当化せずかなり批判的にとらえてる処が面白く 読めました。 著者も瀬島氏に得意技の「梯子外し」かけられた事があり多少の恨みや私念 、嫉妬等が持続していたのでしょうか? たぶん瀬島氏が存命なら世に出せる出版物ではないと思いますが、100歳近く 生き永らえ長命であった瀬島氏でさえ鬼籍にいれば「死人にくちなし」 になるのかと思いました。 途中瀬島氏とは関係ない関係ない勝海舟とか坂本竜馬や山本五十六と 日本国の関わりも私見というか推測で書かれていますが、推理、推測が主でも 瀬島本人について鋭く迫って欲しいと思いました。 さらに著者は自身を高潔な人物と読者に思わせたいのか瀬島氏よりも人間性を 高く売込みたいのか(自慢話というか)、叙勲を辞退申し上げたとか、、、 武田鉄也の「あんたが大将!」じゃありませんが著者の人格を疑いたくなるような 部分も目についたのは少し残念でした。 ちなみに表題にもある「転進」とは大本営参謀本部で初の対米戦での負戦となった
ガダルカナル島撤退時に「退却」や「撤退」ではカッコ悪く国民に顔向けできないと 新聞での表現を躊躇っていたときサラッと他人事のように瀬島少佐(当時)が発案しました。 「廻って進む、転進はどうですか?」と緒先輩の前で披露し先輩の辻政信中佐が 「進むのなら良い」と採用されました。 それ以後の日本軍は終戦(敗戦)まで転進と玉砕ばかり続いたのは周知の通りです。 戦後も「転進」に通ずる多くの美名が官僚により国民向けに造られてる事でしょう。 |

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