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モーパッサンの『脂肪の塊』といえば多くの方が若い頃読んだ
ことがあると思いますが何故か読み直したくなり30年ぶりに再読したのであります。
そのあらすじを超ハショってみましょう。
モーパッサン 脂肪の塊 あらすじ
普仏戦争(1870年)に負けたフランスの町ルーアンはプロシア軍に進駐される。
プロシア軍の行いに危険を感じた人の一部は町を馬車で脱出しプロシア軍がまだ進駐
してないル・アーヴルの町を馬車でめざす。
馬車の一行は上流階級の夫婦3組、民主主義者(男性)、尼僧2名、そして脂肪の塊と
渾名されるふっくらした娼婦の10名。
馬車の一行は最初脂肪の塊を軽蔑していたが皆が空腹になると脂肪の塊が多めに
用意してきた昼食を分け与えられて脂肪の塊を皆でおあだて持ち上げる。
途中のトートの町はプロシア軍に占領されていたが宿に泊まる。
その夜、民主主義者が脂肪の塊に言い寄ったが一蹴された。
翌日馬車の出発準備は整ったがプロシア軍将校はル・アーヴル行きの許可を与えない。
理由はプロシア軍将校の個人的要求を愛国者でもある「脂肪の塊」が硬くなに拒んでいたから。。。
プロシア軍将校の要求を最初に聞いたとき、9人の仲間は脂肪の塊に同情しプロシア将校に
対して怒りを抱いた。
しかし何日も街で足止めを食ううちに彼らは脂肪の塊の説得を始める。
徐々に説得が非難に変わり尼僧たちまで「目的は手段を選ばず」と脂肪の塊に迫る。
結局、脂肪の塊はプロシア将校の一夜のなぐさみものとなった。
その翌朝、馬車は無事に10名を載せ出発した。
上流階級の人間たちは馬車の中では陽気であったが、脂肪の塊に対しては
彼女に感謝の言葉一つかけず「敵と寝た卑しむべき女」として蔑んだ。
脂肪の塊はくやしくて終始馬車の中で泣いていた。
尼僧の二人は最初から最後まで困ると終始祈り続けるだけだった。
ずっと泣きじゃくる脂肪の塊の隣で民主主義者が革命歌ラ・マルセイエーズを楽しそうに口笛で吹いていた。
もちろんこの短編の解釈は色々あるでしょう。
以下、私なりの解釈ですと・・・。
プロの娼婦と言えども敵将校に身を委ねることは、彼女の愛国心、その価値観や
存在意義を揺るがすことだということを誰も最初は判っているのですが、足止めを喰らう
うちに、自分達が目的地に早く到着する為に 脂肪の塊の一途な考えが邪魔になります。
強引に 脂肪の塊を 悪魔(プロシア将校)への 添え物(犠牲者)にしようとします。
全員が躍起になって 脂肪の塊を追い込む姿に深い虚しさを感じてしまいます。
古典ですがモーパッサンの初期の傑作短編で大人であれば誰でも読める内容ですから
気になる方は読まれて損はないと思います。
最後に今回再読して思ったキャストを私は以下のように連想しました。
脂肪の塊 → 日本国民 海保 沖縄の漁民 先の戦争の英霊
金持夫妻3組 → ハトヤマ、カン、センゴク夫妻
尼僧二人 → シスターフクシマ シスターツジモト
民主主義者 → Mr・シイ
プロシア将校 → 権力者 オン・カ・ホー
内憂外患というか 再読した次期が次期ですからね〜。
でも日本人の皆全員が 金持夫婦 3組の ような 自己犠牲ゼロ、徳のない、
汚れ仕事は他人や外国人任せにアウトソーシングする身魂になると
この国の将来はそう長くはないと思います。
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