涅槃までの14万歩!ハッピーリタイアできない100kmウォーカー

2017年11月にタイトル変更・・・中身は変わりません。 ぷらっとして行ってください。

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マレー沖海戦での海軍陸攻隊による活躍まで筆をすすめましたが
これからの戦闘をすすめるまえにしつこくなりますが、
陸攻の生みの親とされる本庄季郎技師と氏が開発に携わった
陸攻との事に触れてみます。
すみませんが前章の【5】一式陸上攻撃機の開発へと一部重複しています。

九六式陸攻も一式陸攻も本庄技師が三菱側の主開発者です。
三菱重工の飛行機の開発者として零戦の堀越二郎、曽根嘉年技師、
本庄氏の後輩で後に四式重爆「飛龍」を開発した小沢久之丞技師が
有名ですが私は本庄季郎技師が一番優れた名設計者だと思います。

ならば何故?本庄氏の御造りになった九六式陸攻、一式陸攻を
naomoe3よ、お前は批判ばかりするのか?というご意見にお答
えしなけければなりません。

本庄季郎氏の何処が優秀かというと海軍の無理な要求や意見を
取り入れつつも、その性能を実現している点です。
堀越二郎氏のように九六式艦戦、零戦、雷電(烈風)のような
ホップ→ステップ→自滅のような後の機種に行くほどの破綻の
流れがありません。
九六式陸攻、一式陸攻の生みの親 主設計者 本庄季郎氏
イメージ 1
















また戦闘機開発の堀越二郎氏とは異なりますが本庄氏は前作の
九六式陸攻の成功に有頂天に踊ることもなく自分なりに九六式陸攻
の問題点である燃えやすさ、を克服すべく頭を悩ませその対応を考ぬきました。
ちなみに零戦の堀越氏は軍側から防弾化の要求指示がでないとその

対策を講じないタイプの設計者であられるようです。

戦闘機も爆撃機(攻撃機)も戦争が始まると燃料タンクの防弾(防漏)化
や操縦席周りの防弾化が各国においても為されて行くわけでして
特に日本海軍は陸軍に比べても航空機の防弾対策で出遅れるわけです。

戦闘機は防弾対策なしでもベテランパイロットが乗ることで見張り能力
回避能力等で敵の弾を受けない戦闘も行える場合があるのですが、
爆弾や魚雷を抱いたままの爆撃機や攻撃機となると敵の対空砲火や
敵戦闘機に襲撃される場合でも爆撃や雷撃コースに入ると命中率を
高めるために投下地点までほぼ等速直線運動でまっすぐ飛び続ける
必要があり敵の砲火を回避できないケースが多いのです。
ですから味方の戦闘機も防弾対策を採ってないのに爆撃機だけ防弾対策
を施すのはエコ贔屓ではないか?との質問はよく合理的に考えると愚問
だと思いますね。
それに戦闘機は乗員1名ですが陸攻は5〜8名も乗ってましたからねぇ〜。
戦闘機より爆撃機の防弾の優先度を高めるべきだったでしょう。



話は一式陸攻の開発直前まで遡りますが1937年の日中戦争当時
世界でも航空機の防弾対策に本気で取り組む以前の頃なんですが
本庄技師は海軍との話し合いの場で要求されたエンジン2基(双発)
での一式陸攻の要求実現は達成できるものの双発だと防弾が施せないので
エンジン4基(4発案)を提案し
「エンジン2基で軍の要求する飛行性能と大搭載量を実現し残る
エンジン2基で防火、防弾、装甲板付加、消火装置を施し墜されにくい
4発陸攻の開発」を具申しますが、、プライドの高い空技廠の
和田操少将に逆上され発言を遮られ「用兵については軍が決める三菱は黙って
軍の仕様通り作ればいい!」と一喝され議論に至らずにそこで終わってます。
もちろん本庄技師はここで海軍側の4発化拒否を受けるや、海軍のポリシーライン
である双発機での大航続力得るためインテグラルタンクを採用していくわけですが。
(この瞬間で、日本の4発爆撃機の実戦配備はは実現不可能となりました。)

そんな訳で一式陸攻4発案はどんなものかも解りませんが戦後の雑誌丸等での
回想を読むと本庄技師は何も貴重な大馬力エンジンである火星(1460馬力)
を贅沢に4基も使おうとしたのでなく、栄や金星(1000〜1,200馬力)の実績もある
量産しやすいエンジンを使用の予定でプロペラも火星の複雑な4枚でなく
3枚ペラを予定主車輪の降着も短くて済み4発ながら実現性にも優れていたもの
だったようです。

ちなみに海軍空技廠側は三菱以上に4発機の経験の無い中島に一三試大攻
「深山」の開発を命じますが中島はオリジナル開発力もなく米国旅客機を
コピー生産しますがコピー元のダグラスDC-4E機自体が欠陥機であったので
当然のように失敗しわずか6機の製造で実線にも参加する機会も
ありませんでした。
その後の海軍は深山の失敗にこりず連山という米国のB17とB24のいいとこ
取りした大攻の開発をすすめますが本土空襲等で戦争には間に合いませんでした。
もしかするとのタラレバ話しですが海軍が一三試大攻「深山」の失敗が明らか
となった昭和16年夏ごろに見切りをつけて、次期4発機の大攻を真面目に開発
するか、一式陸攻の4発化を推進すれば一七試大攻「連山」のような
高高度性能は期待できずとも戦争後半に間にあう四発攻撃機を持てたのかも
しれません。

失敗作となった一三試大攻「深山」 生産機6機
イメージ 2





一八試大攻「連山」 戰爭に間に合わず 生産機4機
イメージ 5












そう考えると海軍として一番、撃たれ強く実現の可能性も高い4発機案が
本庄技師の提案した一式陸攻の4発版だったのではないでしょうか?

ちなみにイギリスの成功したとされる、どんな大きな爆弾でも積めた
4発重爆アブロ社のランカスターは前身は双発のマンチェスター
(1,760馬力X2)で失敗作でしたがエンジンを1200馬力の4発装備
としたことで名機として生まれ変わっています。
双発機 アブロ マンチェスター
イメージ 3







四発機 アブロ ランカスター
イメージ 4









どうも日本海軍の航空界の重鎮も大西瀧治郎を除けば、識見の広い人物
には恵まれなかったようです。
海軍側としてはドンドン墜されても4発機より双発機のほうが
2倍以上の機体を生産でき機数を揃えやすいと考えた節があるようです。
でも後付、後知恵で物申しますが結果的に機数が2分の一以下に
なっていても落とされにくい防弾対策を施した4発陸攻を開発し
危険な雷撃任務を解き、大編隊による米艦隊への水平公算爆撃や
緩降下爆撃を行わせたほうが、敵飛行場や敵艦隊に与えた戦果も
増えていたのではないでしょうか?

次回は【11】は 日本爆撃機の爆弾搭載量について考えてみます。



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