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失敗の連続・・・でもめげずに喋りつづけるNaoの修業時代。
毎月決まって一日にくるお客様がいた。
60歳前あたりの見るからに怖〜い人だった。
師匠の技術に惚れこんでという感じで、さすがのお喋りNaoも一言も話が出来なかったというか、話しかけるなオーラをかもしだした人だった。
いつも来店すると、椅子に座って師匠に目礼をする。師匠もうなずくだけ。
まさに、アイコンタクト!!
そして驚くことに毎回微妙に髪型が違っているのだ。
一度奥さんに聞いたことがある。
「あのお客様と師匠って話しないですよね」
「なのに毎回長さ少し違いますよね」
「師匠にお任せなんですか?」
すると奥さんが
「そうね〜、深い意味はないとおもうけど季節によって変えてるのよ」
「でもそんなこと勝手にしてしまっていいんですか?」
と問う私に奥さんが
「もうあのお客様、この店来てから20年以上になるけど初めてカットが終わった後にマスターに、また来月必ず来ます。髪型はお任せしますって言ってからマスターが、ずっとカットしてるからね」
両方ともがすごすぎる・・・。
20数年髪型を理容師に任せる人も、それをカットし続ける人も・・・。
ある時、私がそのお客様のシャンプーに入り、師匠に渡そうとしたらまだ師匠は違うお客様のカットをしている。これはつないでおかないとと思い、ひたすらマッサージをしていた。
なかなか、師匠のカットが終わらず20分ほどマッサージしただろうか、汗だくになりながら師匠に渡した。
その時、そのお客様が、低いドスの利いた声で
「ありがとう、気持ちよかったわ」
は〜〜〜、身体の力が抜けた。恐いやらほっとしたやら嬉しいやらで・・・。
そして技術が終わり帰る時に、その恐いお客様は私の肩をぽんと叩き
「がんばりや!!」
と言って帰られた。
叩かれた肩は、痛かったけど嬉しかった。
その時思った。カットもできない、シェービングもできない自分でもシャンプー、顔面処置、マッサージなど今自分にできることを一生懸命、必死に汗かきながらやっていれば必ずお客様は認めてくれる。
絶対に手を抜かないようにやろうと。
その後も、そのお客様は、一日に来店し、私は必死にマッサージさせてもらった。
そしていつも帰りに
「がんばりや!!」と肩を強く叩かれた。
でもその叩かれるのが嬉しく、励みになった。
お店においてどのような立場でも、お客様に認めてもらうことはできる。
それが例え掃除であっても・・・。
Naoは、その怖〜いお客様からそのことを学んだ!!
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