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旅番組で、大阪御堂筋が放映されていた。
伏見中書島から京阪電車に乗って四十分程、淀屋橋で電車を降り、地上階に上がると、御堂筋通り、土佐堀川を渡って堂島の弁護士事務所に向う。
何度、この御堂筋を歩いただろう。
行き交う人群れを肩で分けながら、暑い夏も、木枯らしの冬も、幾つもの季節を歩き続けた。
「どうされます、大阪高裁での結審がこの結果では、たとえ最高裁へ持ち込んでも、99%棄却されてしまいます。費用から考えても無駄だと思います……、残念ですが……」
大阪高裁での京都地裁追認を受けての弁護士事務所内、沈黙が続く。
このまま上告期限までに、大阪高裁の結審に異議申し立てをしなければ、全てが確定する。
西濃運輸、高橋英則の大型貨物車に追突されたにも関わらず、「対向飛び出し正面衝突事故」として加害者の立場で処理された息子の無念を思うと、このまま結審させる訳にはいかない。
私は俯いたままで何も言えなかった。
司法、行政の曖昧な取り扱いに、ただ虚しさと怒りだけが心に溢れた。
最高裁上告には印紙代だけで80万ほど……
弁護士手数料も数十万必要だ。
京都地裁、大阪高裁での裁判で、すでに多額の資金を費やした。
息子はあらゆる税負担をしてきた……
これが真面目に納税してきた者に対する行政対応なのか!
そこには、無機質な司法の冷酷さだけがあった。
正義と司法は=では無かった。
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