吉川真澄応援サイト「歌の翼」管理人ブログ

吉川真澄が出演したコンサート等(主として管理人が聴きに行ったもの)を記録しています。

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【演奏会場】
東京ウィメンズプラザ・ホール
 
【演奏曲目】
テクラ・ボンダジェフスカ=バラノフスカ(1834-1861)
   『乙女の祈り』(1851年作曲)
吉田隆子(1910-1956)
   組曲『道』より「頬」(1946年作曲。竹内てるよの詩による)
   歌曲『君死に給うことなかれ』(1849年作曲。与謝野晶子の詩(1904)による)
クララ・ヴィーク=シューマン(1819-1896)
   ピアノ協奏曲より第二楽章「ロマンツェ」(1835年完成。チェロとの協奏)
ポリーヌ・ガルシア=ヴィアルド(1821-1910)
   『チェロとピアノのための4つの小品』(1881年作曲)
   1.ロマンツェ 2.ガヴォット 3.子守歌 4.マズルカ
ルイーゼ・アドルファ・ルボー(1850-1927)
   『12の歌曲集』(1864年出版)より
     「夜に Des Nachts」(A.プーシキンの詩による)
     「星 Die Starne」(A.フェートの詩による。チェロの助奏付き)

《出演》
吉川真澄(ソプラノ)
河野紘子(ピアノ)
江口心一(チェロ)
宮崎緑 (お話し)

【管理人コメント】
「女には作曲はできない…今だにこんな誤解が根強く残っている」――この一点から、この企画が始まったとのこと。まさか今時とは思ったものの、若い頃「女には車の運転は出来ない」などとうそぶいていたような気がして、ちょっと後ろめたい気分。いやいや、私は声を大にして言いたい。女性をはじめとしたマイノリティ解放の糸口を開いたのは我々の世代(団塊の世代=吉川真澄さんの親世代)なんです。私が子供のころのマイノリティ対する偏見と言ったら、それは無邪気で、無自覚で、野卑で、峻烈なものでした。

女性作曲家の知られぜざる名曲を聴いてもらうというのがコンサート趣旨だったようですが、逆説的に、”世界で最も有名な”ピアノ曲『乙女の祈り』からコンサートが始まりました。演奏された河野紘子さんは、本気でこの曲に向き合ったのは今回が初めてだったそうです。子供のころは手が小さくて弾けなかったとのことですが、そんな小さな時期にこの曲を練習するレベルを通り過ぎてしまった、ということでしょう。河野紘子さんのガチの『乙女の祈り』が聞けたのは二度とないことで、本当に幸せでした。

吉田隆子の曲は、吉川真澄さんの演奏でした(河野紘子さんピアノ伴奏)。これがなんとアルト音域の歌曲でしたが、しっかりと低音を鳴らして、女の強さが感じられる歌をそのままに、力強く歌いあげてくれました。ここ数年、彼女の低音域が素晴らしく広がったのは勿論気づいていましたが、こうしてアルト用の歌曲をまるごと歌って見せられると、改めてその凄さに驚きます。まるで別の歌手の歌を聴いているようでした。ソプラノの歌手が低音域を広げるというのは、私はあまり聞いたことがないのですが、プロの世界では普通にあることなのでしょうか?

与謝野晶子の歌の2番、「境の町の商人の…」のところは朗読になっていましたが、純正の泉州弁で朗読されると、なかなかの味わいがありました。

最後のふたつの歌曲は、知られてはいないとは言え純然たる19世紀ヨーロッパのクラシック音楽で、地方公演が多くなってきたため東京ではあまり聞かれなくなったジャンルなので嬉しかったです。改めて感じたのが、声に艶が増したというか、柔らかな奥行きが出てきたこと。こんなことを私が師事する(!)大先生に向かっていうのは恐れ多いのですが、KOHAKUの童謡などを歌うときのキラキラ感を抑えて、しっとりと聞かせる大人の声も出るようになり、表現の幅が一層広がったように思います。

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