吉川真澄応援サイト「歌の翼」管理人ブログ

吉川真澄が出演したコンサート等(主として管理人が聴きに行ったもの)を記録しています。

全体表示

[ リスト ]

イメージ 1
<吉川真澄さんが指導する合唱団の仲間と。左端は昔共演させて頂いたことのあるサックスの鈴木広志さん>

【演奏会場】
 東京オペラシティ・リサイタルホール

【演奏曲目】
イサン・ユン(編:木ノ脇道元):大王のテーマ(1976/2013)
平野一郎:龍を踏む者(2016)〜世界初演
木ノ脇道元:NOMAD rmx−聖なる舞踏(2015)〜世界初
木ノ脇道元:NOMAD rmx−幾りえ(2016)〜世界初演
アレハンドロ・ヴィニャオ:リズムの手帳(2000)
J.S.バッハ(編:木ノ脇道元):6声のリチェルカーレ(1747/2016)
J.S.バッハ/C.グノー(編:木ノ脇道元):アヴェ・マリア(1722/1859/2013)

《演奏》
<アンサンブル・ノマド>
木ノ脇道元(fl)
菊地秀夫(cl)
野口千代光・花田和加子(vn)
甲斐史子(va)
菊地知也(vc)
佐藤洋嗣(cb) (龍)
稲垣 聡(pf)
宮本典子(perc) (龍)
佐藤紀雄(cond/gt/e-gt) (龍)
<ゲスト>
吉川真澄(sop) (龍)
鈴木広志(sax) (龍)
※(龍)は、「龍を踏む者」の演奏者

【管理人コメント】
今回は木ノ脇道元さんが企画した初めての定期演奏会で、テーマは「パラフレーズの広場 再来の泉」。現代曲の演奏会と言っても、よく耳にするクラシックの名曲のフレーズが色々な形で曲に取り入れられており、親しみやすさと同時に、現代曲の音作りの斬新さも味わえて、全体としてとても素晴らしいコンサートでした。

その中でも、吉川真澄さんが歌った平野一郎さん作曲の「龍を踏む者」は、特に輝きを放つものでした。吉川さんが舞台に現れるだけで、会場に期待感が満ち溢れるのが感じられます。岩城恭平さんのデザインによる衣装は、何か祭りの衣装のようにも感じられ、これから始まる平野ワールドの展開を暗示しているようでした。そして、期待に違わぬ素晴らしい演奏。聴(観)衆からは、しばしの静寂を楽しんだ後、溜息と拍手と、そしてブラボーの嵐。

…それは、遠くからかすかに聞こえる波の音で始まりました。えっ、コンサートホールの中にいる筈なのに波の音?幻聴か?いや、次第に大きくなるその音は、確かに波の音だ…これが実は鈴木広志さんのテナーサックスだと気づくには少し時間が掛かりました(註:後日聞いたところでは、波の音は最初は吉川さんから始まったとのこと)。やがてその波の音に被さって、吉川真澄さんのソプラノのハミングが小さく聞こえてきます。まるで海の底に眠る何かに呼び掛けているよう。誰を呼んでいるのだろう?そう思っている内に、自分の魂が身体から離れ、五人の奏者が作り出す摩訶不思議な異空間に吸い込まれて行く…。

「龍を踏む者」は、平野さんが吉川さんのために作る音楽が殆どそうであるように、「歌」の枠を超えた作品、ミニオペラ(歌手が一人なので、ミニモノオペラ?)とでも言うべき作品です。平野さんの故郷宮津に伝わる龍にまつわる昔話をベースにした物語が音楽作品として結晶したものということです。私は吉川さんの歌を聴き、五人の奏者の奏でる音楽に吸い込まれ、その音楽が語る物語に耳を傾け、それと同化して物語に参加していた感覚があります。ではその物語とは?というと、この作品が含意する複雑で豊饒な内容を明確にとらえることはまず不可能.。

この感覚は何だろうと考えてみると、夢を見ている気分に近いのではないか、と思い当りました。ものすごく重要なことを語り掛けられ、それを確かに受け止め納得したという非常に生々しい実感があるのだけれど、目が覚めると、何を語りかけられていたかを言葉にして説明することができない。あんな大切なことだったのに、何故か思い出せない。あの演奏に浸っている間は、そんな夢の中を旅しているような時間でした。

吉川真澄さんは、様々な声音を使い分け、物語を演じて行く。その表現の多様さにはいつも圧倒され感服するのですが、時折挿入される古謡的なフレーズでは、彼女本来の透き通った美しい声を聴くことができ、さすが平野さん、吉川真澄という楽器の扱いを心得ている、と嬉しくなります。

平野さんと言えば、直前のブログでリハーサル風景をレポートされていました。その中で頭を抱えてしゃがみ込む吉川さんの写真が載っています。付けられたキャプションが、「あまりの複雑さに歌い手が頭を抱える瞬間?」

吉川さんからは、平野さんの曲はどれも挑戦的で苦労するという話を聞いていたので、その写真を見て私は本気で心配していました。といっても、私に何かのアドバイスができる訳もなく、「頑張れ」といっても気休めにもならないだろうし(言いましたけど)、あとは上手く行くよう祈るぐらいしかできません。ところが、本番の演奏を見ていたら全く同じポーズを吉川さんがやったのです。何だ、あれは演出の一部かい!!
人が悪いよ、平野さん(笑)

この記事に

閉じる コメント(0)

コメント投稿

顔アイコン

顔アイコン・表示画像の選択

名前パスワードブログ
絵文字
×
  • オリジナル
  • SoftBank1
  • SoftBank2
  • SoftBank3
  • SoftBank4
  • docomo1
  • docomo2
  • au1
  • au2
  • au3
  • au4
投稿

.


みんなの更新記事