吉川真澄応援サイト「歌の翼」管理人ブログ

吉川真澄が出演したコンサート等(主として管理人が聴きに行ったもの)を記録しています。

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【演奏会場】
東京オペラシティ近江楽堂

【演奏曲目】
(省略)

【管理人コメント】
正面で木箱に寄り掛かって眠るMasumi。やがて、物陰から聞こえるEmaの歌声がMasumiに呼び掛けます。「あーそーぼ。」いえ、Emaは、「遊ぼう」と声を掛けたわけではありません。あーおーあ?でも、誰もが子供の頃何度も口にしたあの節回しを聞けば、すぐ「あーそーぼ」と呼び掛けていると分かります。

このコンサートの最後に演奏された、平野一郎さんに委嘱作曲された『鏡の国の歌遊び』は、そのように始まりました。そして私はあっと気付かされます。子供たちの世界が、自分が子供だった頃の日々が、如何に唄に満ち溢れていたことか。それが自分の骨身、魂の奥まで浸みこんでいて、しかも、このくにに育ったすべての人々に共有されていることの不思議、いやその幸福感といっていいかも知れません(そうか、この幸福感こそが平野作品の魅力ではないのか?)。

『鏡の国の歌遊び』はテンポよく場面転換しながら展開していきます。昔聞いた懐かしい旋律、美しい二重唱、ユーモア溢れる擬音唱(私の造語です−笑)、表情豊かな足踏みパーカッション。その中に、なかよく遊ぶ二人、ケンカ、なかなおり、などの物語が織り込まれていきます。万華鏡に中で色セロファンがつくる様々な形に想像を膨らませる子供のような気分で聴いてしまう、とても楽しく、美しい作品でした。最後は、「もーいーかい」、「まーだだよ」。やはり言葉はありませんが、節回しで二人がそう言い交わしているのが自明という最初に回帰して『歌遊び』は終わります。

説明の順序が逆になってしまいましたが、今日は吉川真澄(Masumi)さんと宮本絵真(Ema)さんが結成したソプラノ・デュオ「La Vérité〜真〜」のデビューコンサートでした。アカペラの、女声、それも同じソプラノの二重唱。お互いが高音部になったり低音部になったり、糸が撚り合い紡がれていくように歌声が流れ、近江楽堂のドーム天井に美しく響いて、とても素晴らしい演奏会でした。

14世紀から16世紀のポリフォニー音楽と現代曲との組み合わせが素晴らしいマッチングを見せるというのは、EmaとMasumiの最初の共演の舞台となった、京都での「四季の遊び」で既に証明済みです。今回はそれに日本民謡も加えて独創に満ちたプログラム構成となっていました。特に、クルタークのど真ん中にテレマンを持ってくるなんて、私は素人なので何とも言えませんが、かなり衝撃的な試みではないでしょうか?でも、テレマンが間奏曲のようになって、とても自然な流れでした。

実は私は、このデュオの結成を大変嬉しく思っています。数年前、私は生意気にも、Masumiさんにイギリスの声楽アンサンブル、タリス・スコラーズのパレストリーナのCDをプレゼントし、こういうジャンルにも取り組んで欲しいと言ったことがあります。真澄さんの声は、私の好きなこのジャンルの楽曲に絶対に合うと思っていたからです。その時のMasumiさんの応えは、「チャンスがあったらねェ〜」というものでした(笑)

Emaさんはフランスに長らく滞在し、この分野の音楽を研究されてこられた方と聞いています。であれば当然、La Véritéのレパートリーにも含まれる筈だと楽しみにしていました。そして、実際そうなって、私の期待どおり、それ以上の歌声を聞けたのです。ホントに嬉しい。ヴェリテ結成おめでとう!万歳\(^o^)/

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