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バス・バリトン 楢崎 誠広 (ならざき まさひろ) のソロ出演情報、記録 、 コンサートマネージメント

大好きなドイツ歌曲集

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 作品解説  (解説・文責 楢崎 誠広)
   
 R.シューマン「詩人の恋」 作品番号 48  作詞 ハイネ


1、美しい五月に
    美しく、ためらいがちにたゆたうようなピアノが魅力の第一曲目は、「詩人の恋」全編の
   ロマンチックな雰囲気を醸し出し、男は女性への恋愛感情の覚醒を吐露する。

2、私のあふれる涙からたくさんの花々が開き、私のため息はひばりの歌声となって辺りに
   響き渡る・・・男は女性に花束を贈る。

3、バラにユリに鳩に、太陽に私はかつて自分の愛を捧げたが、今はそんなもの目に入らない、
   私が愛するのは小っちゃく可愛く、純粋なあの子だけ。
      〜ウキウキして踊り出したくなるような、軽快な早口言葉を軽く楽しんで欲しい。〜

4、君の瞳を見つめる時、私の全ての苦しみと悲しみは消え去る・・・
   君の唇にキスする時、私は元気一杯になる!・・・
      〜曲中の「Ich liebe dich !」 の言葉があなたに聞き取れますか?〜

5、心を潜めよう
   流れるようなピアノに乗って、歌はユリの花の中から湧き出るような
   彼女の愛の歌を表現する。

6、ラインの聖なる流れに
   ライン川沿いにあるケルン大聖堂。その中にかけてある肖像画に、彼女の面影を見出し、
   思いを投影して歌う。大聖堂に重層的に鳴り響く鐘の音のようなピアノの響きも魅力。

7、私は後悔しない、たとえ心が割れてしまおうとも。
   永遠の愛への賛歌。「詩人の恋」の中でも名曲として知られる、男の失恋の歌。

8、花たちは知っている、私の心がどんなに傷ついているかを。
   打ち砕かれた愛の希望は、歌とピアノの細やかで緊密なアンサンブルによって絶妙に
   表現される。

9、フルートとヴァイオリンの音が
   かつて愛した女性の結婚式で、参列した皆が楽しく輪になって踊っているのが聞える。
   男はそれを遠目から見ている。リズミカルで小気味よいピアノの舞曲は、
   あたかも非常につらい男の心の内面をかき乱すかのようだ。 

10、歌が聞こえる
   かつて彼女が歌った歌が聴こえる・・・私は胸を引き裂かれる思いだ
   ピアノにつけられた後奏部では、高らかで純粋な上声部が美しく響けば響くほど、
   茫然自失になっている男の気持ちが一層際立つ。

11、一人の若者が一人の女の子を愛し、
   その女の子は他の男の子に夢中、そしてその男の子は違う女の子を追っかけて・・・
   オペレッタを思わせるような軽妙なタッチの恋のから騒ぎが、「詩人の恋」全編に
   楽観的な雰囲気を残す。

12、輝く夏の朝に
   静かであるがキラキラ輝くようなピアノの調べに誘われて、男は心の琴線に触れる
   ような繊細な心の動きを静かにささやく。

13、私は夢の中で泣いた。そしてあなたは去って行ってしまった・・・
   私は目覚めるが、涙は私の頬を流れ、涙はやがて大きな海となる・・・
   気持ちを吐露する独白のような歌と、それに合いの手を打つピアノとの
   行間の呼吸が絶妙に合わさって、涙はとめどなく溢れ出す。

14、毎晩、夢の中であなたに会う。私はあなたの膝元に駆け寄り、もう一度
   花束を贈り、愛の言葉をささやきたい。しかし、ハッと目を覚ましたら
   花束はどこかへ消えてしまい、私はその言葉を忘れてしまった!

15、昔のおとぎ話の中から
   軽やかなピアノの前奏に誘われるように魔法の国へと誘い込まれ・・・
   色とりどりの花が咲き、風はさわやかに吹き、鳥たちはさえずる。
   この世では見られないような夢のような世界、そこへ行けたらいいのに・・・
   よく夢の中でみる幸福の国。しかし朝日が昇るとはかない泡のように
   消え去ってしまうのだ。

16、古い、嫌な歌が
   古い、嫌な歌を今、大きな棺桶と共に埋葬しよう。その棺桶はハイデルベルクの
   樽より大きく、マインツの橋より長くなければいけない。そしてそれを運ぶ12人の
   巨人たちは、ラインの守り神クリストㇷより強くなければいけない。そしてそれを
   大きな、大きな海に沈めよう。
   歌の後に続く長いピアノの後奏は、「詩人の恋」鑑賞の醍醐味の一つでもあり、
   必聴に値する完成度の高いピアノソロ音楽である。


[特記] 13番、14番、15番で見られるような、「夢の中での愛の回想、妄想」から
    目覚めた後に現実に引き戻され、更にその重さに気づかされ悲しい感情が
    湧きあがる、または反対にユーモアを感じるストーリーに展開する、という
    手法は、作詞家ハイネが一つの型として使用した形である。他の詩作にも
    時々見られ、作曲家は劇的効果のある音楽をつけやすいと言える。
    シューマンだけでなく他の作曲家もハイネの同様の詩作に曲をつけている。

     (例)シューベルト作曲「白鳥の歌」の「Ihr Bild」・・彼女の絵姿・・など

                    

 
 例の「ミニョンに寄せて」の最初の一節ですが、 

 また微妙にニュアンスを変えて訳語を直してみました。


 「Ueber Tal und Fluss getragen

  ziehet rein der Sonne Wagen .」


  〜太陽の動きは谷や河を超えて、その軌跡を残す。〜

 

 少しはまともになったかも知れない。
 これなら日本語としてもそれほどおかしくないかな?

翻訳の難しさ

「ミニョンに寄せて」の1番の訳を放ったらかしにしていましたが、
一応、現時点で考えられるニュアンスで書いておきました。

 http://blogs.yahoo.co.jp/narachan_bass/62222534.html

 訳語の選定など、まだしっくり来ません。
 きっとこの詩は訳すのが難しい部類に入ると思います。
 既存の解説などを読ませていただいても、この曲の解釈自体に分かり
かねる部分があって、「ここはこういう状況で、こう!」と言い切れず、
決定できないのです。今度リート伴奏の巨匠、ノーマン・シェトラー氏に
質問してみようと思います。


 将来的には何とか時間を作って、
 
 シューベルト「冬の旅」
 シューマン「詩人の恋」、「リーダークライス」
 ブラームス「ドイツ民謡集」「美しきマゲローネのロマンス」

 などの訳も創っていきたいです。

 
 翻訳は日本人が日本語で読んで分かるのが鉄則ですから、客観的に読み
返すと、僕の訳にはまだまだ曖昧な部分がありますね。
 ただ、自力で訳を創るという作業は、歌い手のイマジネーションを大きく
膨らませ、芸術表現にかなり幅を持たせる効果があります。
 忙しいからと言って諦めないで頑張ろう。

 現段階から次のレヴェルにステップアップするには、ドイツ語と日本語両方
の言語表現をさらに勉強して行くことですね。

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 An Mignon


 1,Ueber Tal und Fluss getragen
  ziehet rein der Sonne Wagen
  ach! sie regt in ihrem Lauf
  so wie deine,meine Schmerzen,
  tief im Herzen immer morgens wieder auf.

 2,Kaum will mir die Nacht noch frommen
  denn die Traeume selber kommen
  nun in trauriger Gestalt,
  und ich fuehle dieser Schmerzen
  still im Herzen heimlich bildende Gewalt.

 3.Schon seit machen schoenen Jahren
  seh ich unten Schiffe fahren,
  jedes kommt an seinen Ort,
  Aber ach, die steten Schmerzen
  fest im Herzen ,schwimmen nicht im Strome fort.

 4.Schoen in Kleidern muss ich kommen
  aus dem Schrank sind sie genommen,
  weil es heute Festtag ist,
  niemand ahnet dass von Schmerzen
  Herz im Herzen grimmig mir zerrissen ist.

 5.Heimlich muss ich immer weinen ,
  aber freundlich kann ich scheinen
  und sogar gesund und rot,
  waeren toedlich diese Schmerzen
  meinem Herzen,
  ach, schon lange waer ich Tot.


 1.太陽の動きは谷や河を超えて、その軌跡を残す。
   ああ、それは
   あなたの苦しみのように、私の苦しみを
   心の深いところで毎朝興奮させる。

 2.夜も全然ゆっくり休めない。
   なぜなら夢が悲しい姿で現れるから。
   そして、胸の中に秘かに築かれつつある
   この苦しみの大きな力を感じる。

 3.もう何年も前から下流で船が渡っているのを見ている。
   それぞれの船はその目的地にたどり着くが、
   ああ、私の胸の中にある苦しみは常にとどまり、
   あの船のように川を渡って行くことはない。

 
 4.たんすから出した綺麗な服を着なければならない。
   なぜなら今日は祝日だからだ。
   しかし、
   誰も私の心の中で残酷にも引き裂かれた苦しみを知ることはない。


 5.私はいつもひそやかに泣かずにはいられない。
   しかし、気丈に元気に振舞うことはできようものだが・・・
   もしこの苦しみが致命的ならば、
   ああ、私はもうかなり前から死んでいるようなものだ。

                          楢崎 訳

   1番の訳はまだしっくり来ません。
   非常に難しいですね。翻訳は

 Natalie Stutzmann (ナタリー・シュトゥッツマン)のシューマン
歌曲集のCDを先日図書館で借りてきました。


 曲は「ミルテの花」全曲とその他数曲。

 通して聴きましたが、本当に深くコクのあるアルトの音で粘っこいですね〜。

 「ミルテの花」は僕は男性も歌う有名な歌しか勉強したことがありませんから、
全曲通して聴くのはCD鑑賞でも初めてでした。いい曲がたくさんありますね。

 
 僕が歌ったことがあるのは、


 ☆Widmung   献呈

 ☆Der Nussbaum  くるみの木

 ☆Die Lotosblume  はすの花

 ☆2 Venetianisches Lied  2つのヴェネチアの歌

 ☆Du bist wie eine Blume 君は花の様だ


 の6曲のみです。
 26曲のうち、ほとんど全ては女性の恋愛感情、親子の情などを歌ったものです。
 でも上記に挙げた有名なものは男性もよく歌います。



 上記6曲以外で最も有名で、全ての女性の声楽学生が勉強すべきなのは


 ☆Lied der Suleika スライカの歌


 です。
 
 非常に官能的かつ、甘い旋律で女性の恋愛感情と官能を歌い上げます。 

 シュトゥッツマンのアルトの深い声で聴くと、「スライカの歌」は少しきつ過ぎる
印象を持ちましたが、それでも素晴らしい完成度です。
 でも「スライカの歌」は叙情的な範囲で粘っこい表現が出来るソプラノ向きかな?



 その他、僕がこの曲集の中で好きなのは、


 ☆Lied der Braut 花嫁の歌


 の一曲目「Mutter,Mutter! glaube nicht,」
です。

 結婚を間近に控えた女性が、母への語りつくせない感謝の気持ちと家族愛を深く心から
伝えます。



 また、「こりゃ、日本人には歌うのが大変だ!」と思ったのは・・・笑

 10曲目
 
 ☆Die Hochlaender Witwe  山地の未亡人


 曲想は rasch ,nach und nach heftig 
     「快速に、だんだん強烈に」

 
 最初から最後まで早口でまくし立てるこういう曲は、おっとりしていて恥ずかしがり屋さん
が多い日本人の気質とはかなり離れています。また、この速さで本当に正確にドイツ語をしゃべ
るのは至難の業ですね。

 前述の「くるみの花」「はすの花」「スライカの歌」「花嫁の歌」などは日本人女性の気質
にぴったりです。

 でも全曲演奏するとなると、10曲目も歌わなければいけない。
 
 男性の連作歌曲集でも同じような曲が出てきますが、シュトッツマンの歌を聴いて、改めて
こういったまとまった歌曲集の全曲演奏の難しさを感じました。

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