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前回、前々回と レキ&おっちゃんズのコンパス遊びについて書きましたが、
続きがあったんです・・・書くの遅くてスミマセヌ。
ひとしきりブレリアが続き、最後に再びレキが唄って締めくくると、
おっちゃんズがレキに私達を紹介してくれた。
「このハポネサ(日本人女子)はバイレを勉強してる」
「このハポネー(日本人男子)はギターラを弾くぞ」
「フラメンコが好きだと言うから、オイラが今日の事を教えてやったのさぁ〜!(自慢げ)」
レキは両目を渋ぅく細めて
「ふぅん・・・」
とクールに私達を見やっただけだったのだが・・・。
続いてファンダンゴ(リブレ)など唸り、グラナイ−ナなど唄い、
興が乗ってきたあたりで突然
「おい、ハポネー!ギターを弾け。」
ときた。まじですか?!
強面のレキに命令形で言われ、調子のいいおっちゃんズにやんややんやと囃されたらば、
受けて立つしかなかろう。
旦那はギターを弾いたのであります。
いきなりのヒターノのカンテ伴で、マラゲーニャ・・・(脂汗)。
おっちゃんズが
「なかなかやるじゃん!?」と、目を見はる。
最後のラスゲアードの音がかき鳴らされると、レキも
「オーレー!!」
と、笑顔になった。その勢いでタンゴ、再びブレリアへと続く。
その頃には狭い店内は人で一杯になり、レキもますますテンションが上がっていた。
パルマや拳に加え、靴底で床を打ち鳴らして絶妙なレマーテを入れる。
“これは・・・やばいよ?出来ることならこのまま何事もなく・・・”
私はそう願ったが、そうは問屋がおろさなかった。
レキが高々と両腕をかかげ、指を鳴らしながら近づいて来たのだ。
すんごい目力で私を見据えながら近づくので、逃れようがない。
「逃がさへんでぇ〜!!!」
と思っていたかどうかは定かでないが、まさしくそんな押しの強さであった。
こういう場合、照れたら終わりである。尻込みして、
「踊れないですぅ〜」
なんて言って首を横に振ろうもんなら、一気に興ざめ、
“つまんないヤツ!!”
と、そっぽを向かれること請け合い。やるしかない、やらねばならん!戦う(ちょっと違う?)のだー!!
うまく踊ろう、なんて思う必要はない。“踊ろう”とさえ思わなくいい。
コンパスを感じ、唄を聴いていればいい。
「負けへんでぇーー!!」とばかりに、
私はとにかくレキの目を見返し、絶対目線を外さないように、とだけ心に念じた。
目の前30センチのところで、おっさんヒターノが私に向かって唄ってる。
聴いたことのないブレリアの唄だった。おっちゃんズのウケようからして、歌詞は即興だな・・。
足の付け根に体重を乗せながら軽く腰でリズムを取り、
レキの目を見据えながら、ゆっくりと腕をあげた。
メロディーの行方を想像しながら、マノ(手指)を丸くまわす。
集中すると、心がどんどん静かになった。
あぁ、いい感じやねぇ〜、次のフレーズで“落ちる”ね。
思ったようにレマーテが決まり、抜けたらすごくいい気分だった。
ワッとハレオがかかり、次の唄が始まる。
レキも笑顔で唄っていた。
調子づいたのでブエルタなど回って、ファルキートのクラスでやったパソなど入れてみる。
おぉ、おっちゃんズが大喜びしたではないか。
ではこのまま、レキに向かってジャマーダかけて、2人でちょいっとマルカールして、
次のジャマーダで“もう終わるよ〜”アピールして、2人で面白く去る・・・・。
レキが合わせてくれて、うまくまとまりました。
フィエスタって、楽しいなぁ!と、初めて実感した。
ガイジンの特権で、とにかく何かできれば周囲は驚く、という事も幸いした。
その後私達が『飲め飲め!!』攻撃に遭ったことは言うまでもない。
帰り際、店主に「いくら?」と尋ねるも、「otoro dia,otoro dia!(今度でいいよ)」と言うばかり。
結局、この店で一回も支払うことなく帰国することになるのであった。
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