新宿フラメンコ教室 NARU FLAMENCA BLOG

新宿駅近で10年♪ 田中奈都子によるフラメンコクラス

人々との出会い

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前回、前々回と レキ&おっちゃんズのコンパス遊びについて書きましたが、

続きがあったんです・・・書くの遅くてスミマセヌ。

ひとしきりブレリアが続き、最後に再びレキが唄って締めくくると、
おっちゃんズがレキに私達を紹介してくれた。
「このハポネサ(日本人女子)はバイレを勉強してる」
「このハポネー(日本人男子)はギターラを弾くぞ」
「フラメンコが好きだと言うから、オイラが今日の事を教えてやったのさぁ〜!(自慢げ)」
レキは両目を渋ぅく細めて
「ふぅん・・・」
とクールに私達を見やっただけだったのだが・・・。

続いてファンダンゴ(リブレ)など唸り、グラナイ−ナなど唄い、
興が乗ってきたあたりで突然
「おい、ハポネー!ギターを弾け。」
ときた。まじですか?!
強面のレキに命令形で言われ、調子のいいおっちゃんズにやんややんやと囃されたらば、
受けて立つしかなかろう。
旦那はギターを弾いたのであります。

いきなりのヒターノのカンテ伴で、マラゲーニャ・・・(脂汗)。
おっちゃんズが
「なかなかやるじゃん!?」と、目を見はる。
最後のラスゲアードの音がかき鳴らされると、レキも
「オーレー!!」
と、笑顔になった。その勢いでタンゴ、再びブレリアへと続く。

その頃には狭い店内は人で一杯になり、レキもますますテンションが上がっていた。
パルマや拳に加え、靴底で床を打ち鳴らして絶妙なレマーテを入れる。

“これは・・・やばいよ?出来ることならこのまま何事もなく・・・”
私はそう願ったが、そうは問屋がおろさなかった。
レキが高々と両腕をかかげ、指を鳴らしながら近づいて来たのだ。
すんごい目力で私を見据えながら近づくので、逃れようがない。
「逃がさへんでぇ〜!!!」
と思っていたかどうかは定かでないが、まさしくそんな押しの強さであった。

こういう場合、照れたら終わりである。尻込みして、
「踊れないですぅ〜」
なんて言って首を横に振ろうもんなら、一気に興ざめ、
“つまんないヤツ!!”
と、そっぽを向かれること請け合い。やるしかない、やらねばならん!戦う(ちょっと違う?)のだー!!

うまく踊ろう、なんて思う必要はない。“踊ろう”とさえ思わなくいい。
コンパスを感じ、唄を聴いていればいい。
「負けへんでぇーー!!」とばかりに、
私はとにかくレキの目を見返し、絶対目線を外さないように、とだけ心に念じた。

目の前30センチのところで、おっさんヒターノが私に向かって唄ってる。
聴いたことのないブレリアの唄だった。おっちゃんズのウケようからして、歌詞は即興だな・・。
足の付け根に体重を乗せながら軽く腰でリズムを取り、
レキの目を見据えながら、ゆっくりと腕をあげた。
メロディーの行方を想像しながら、マノ(手指)を丸くまわす。
集中すると、心がどんどん静かになった。
あぁ、いい感じやねぇ〜、次のフレーズで“落ちる”ね。
思ったようにレマーテが決まり、抜けたらすごくいい気分だった。
ワッとハレオがかかり、次の唄が始まる。
レキも笑顔で唄っていた。
調子づいたのでブエルタなど回って、ファルキートのクラスでやったパソなど入れてみる。
おぉ、おっちゃんズが大喜びしたではないか。
ではこのまま、レキに向かってジャマーダかけて、2人でちょいっとマルカールして、
次のジャマーダで“もう終わるよ〜”アピールして、2人で面白く去る・・・・。
レキが合わせてくれて、うまくまとまりました。

フィエスタって、楽しいなぁ!と、初めて実感した。
ガイジンの特権で、とにかく何かできれば周囲は驚く、という事も幸いした。
その後私達が『飲め飲め!!』攻撃に遭ったことは言うまでもない。
帰り際、店主に「いくら?」と尋ねるも、「otoro dia,otoro dia!(今度でいいよ)」と言うばかり。
結局、この店で一回も支払うことなく帰国することになるのであった。

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レキの拳が、カウンターを叩く。
同時に、靴底で床を打つ。
時に、ギターのラスゲアードのように、手の爪でカウンターをはじく。

骨太な、ブレリアのコンパスが動き出した。

すぐにおっちゃんズが加わり、パルマを叩き、ハレオをかける。
だが、決して『やんや、やんや』のお祭り騒ぎにはならない。
コンパスは生き物みたいだ。
正しく手助けすれば生き生きと躍動し、妨げると死んでしまう。
だから皆がコンパスに耳をすまし、コンパスを尊重し、大事に大事に行方を見守っているのだ。

レキが唄い出した。
目を見開き、一点を見つめたまま、渋くしゃがれた声を絞り出す。

拳でコンパスを叩いているおっちゃんも、パルマを叩いているおっちゃんも、
全神経をレキのコンパスに向け、視線を決して逸らさない。
レキがどう唄うのか。このコンパスが、どう流れていこうとしているのか。
それを感じ取り、後押しし、共にうねり、
ピッタリはまると 会心の笑みと共に自然にハレオが飛ぶ。
そんな瞬間は、見ていてため息が出るほど、気持ちいい。
パルマとアセントと唄のみのブレリアが、疾走している。
その暴れ馬のようなコンパスを乗りこなし、自由自在にコントロールするレキ。
すごい、カッコいい、としか言いようがなかった。

レキが唄いきると、おっちゃんズがそれに続く。
皆、負けじとすごいテンションで唄い、血が頭に上って真っ赤な顔して・・・。
時々声が裏返ったりもするけど、皆なかなかの腕前。
唄に誘われて、踊り自慢のおっちゃんも踊り始めた。
教室で習い覚えた踊りではない、生活の中で身についた踊り。
自由で、ユーモアがあって、こころのままに動いている。本来の“踊る”という意味がここにある。
皆、拍手喝采、笑顔になる。

・・・こんなに本気で声を限りに唄ったり、踊ったりなんてこと、
普通の大人の日常にどれほどあるのだろう・・・・。

私が見たかったもの、ここにしかない生きたフラメンコが 目の前にあった。

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12/19の記事に引き続き、おもろいフラメンコ愛好家のおっちゃん達の話。

「毎週木曜日に集まってフラメンコやってるから、おいで!」
と言われたので、言われた時間に夫と一緒に訪ねたのだが。

??店主の他は、常連のおっちゃん・おじいちゃん3人ほどしかいない。皆、どうしたのだ?
私:「今日はフラメンコやらないの?」
おっちゃんA:「うーん、多分、もうすぐ皆来るよ。まだ早いから。」(←いや、時間過ぎてます・・)
店主:「今日はギターが来ないから、やんないよ。」
おっちゃんB:「アントニオは来るって言ってたぞ!なんで奴は来てないんだ?!」
全員:「わぁわぁ、わぁわぁ」(皆で早口で議論しだし、聞き取り不能。)

(やっぱり)確かな情報無し。とりあえず待つことにした。
おっちゃん達が飲み物やおつまみを取って、やたら勧めてくれる。親切だなぁ〜。
そうこうしてる間に、一人、また一人と顔を覗かせ、
“あれ、今日は無いのかな?”的不安顔になりつつも、“とりあえず待つ”体勢に。
おぉ、私達の判断はアンダルシア人的には正解であったのだ!

それにしても、カウンターに寄りかかって所在無さげに待っているおっちゃん達の不安気なことよ。
「あんのかな?無いのかな?やっぱ、あんのかしらん。」
という、心の声が聞こえてきそうな、分かりやすいオーラを放出しながらそわそわしている。
心なしか、会話にも元気がない。
そんな状態で、40分も待ったであろうか(このくらい待つのは当たり前)。

やたらと存在感のある、ソンブレロ(縁あり帽)を被った濃い〜老紳士がひょっこり現れた。
途端、おっちゃんズの顔が輝く。
「おお、レキ!!」
「レキが来たぞ!元気か、レキ?」
何者?!と問うまでもなく、おっちゃんCが(何故か自慢げに)耳打ちしてくれる。
「レキは、モーロのヒターノで、親父は馬飼いだ。凄いコンパス(リズム)の持ち主だぞ!」
どうやら、皆の尊敬を集めているフラメンコらしい。
“レキが来たなら、フラメンコが始まるぞ”という期待感が店中に広がり、
一同が一気にワクワクしている。
皆に囲まれたレキは、心もちエラそうに店の中を見回し、
「なんだ、ギターは来てないのか。」
一同:「んだ。」・・・しゅ〜ん(またも不安顔。)
レキ:「ふーん。(店主に)おい、ブランデー!」

ぐいっと一口飲んで、木製のカウンターにグラスをカンッ!と置くと、レキは右の拳を握った。
皆が彼に注目していた。

Pena Manuel Sanud の面々

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いつものように急ぎ足でスタジオへ向かって歩いていると、
突然、シギリージャが耳に飛び込んできた。あれあれ?しかも生唄?!
一旦通り過ぎた小さなバルへ引き返す。
入口の人の間から頭を突っ込んで覗き込むと、
ヒゲ面のちっちゃいおっちゃんが、眉間にシワを寄せて唄っていた。
そこが、ペーニャ・マヌエル・サヌドだった。

突然の東洋の子供(に見えたに違いない)の闖入に、
『なにもそんなに驚かんでも』と言いたくなる位、
目を見開いてこちらを凝視しているおばちゃんもいる。
そして、『いつもとちがう顔』を視界の端に認めたとたん、
明らかに唄のおっちゃんのテンションはうなぎ昇りに上がった。
血管切れそうな形相で唄い切るころには汗がしたたり、
その絶唱ぶりに皆が『オーレ!』と歓声を上げる。

やー、いいもん見たな、さすがセビージャ!
と、満足してレッスンに行こうとしたらば、おっちゃん達が激しく手招きしているではないか。
何かしら?寄っていくと、5人くらいのおっちゃんが一斉に質問してきた。

『日本人か?』『日本のどこ?』『名前は?』『フラメンコ好きか?』
『フラメンコ勉強しに来たのか?』『誰に習ってるのか?』『いつから居るのか?』
『いつまで居るのか?』etc,etc...

あまりの勢いに面くらいつつも答えていくと、
ひとつ答えるたびにおっちゃん達が『オーッ!』と言ってはのけ反る。マンガみたい・・・。
曲がりなりにも私が答えた事ですっかり安心したおっちゃん達は、
さらに早口で長いセンテンスで矢継ぎ早に話し掛けてくる。
目をぱちくりして
『・・ワタシ、スペインゴ、ヨクワカラナイ、ユックリオネガイ』
と訴えるものの、
『なにっ、そーか、皆!分かるように話すんだ!』
と一人が指示したのを合図に、今度はなぜか“でかい声”で、やはり一斉に話し掛けてくる・・・
私ゃ、耳は遠くないっ!せめて一人づつ話してよ〜!

その後も隙間なく続いたお喋り攻撃を遮り、
『もうレッスンに行かなきゃいけないので帰りますっ!』と叫んだ時にも
『なになに?!レッスンだと』『レッスンか』『何の?』『フラメンコに決まってるだろ』
『そうだ、フラメンコに決まってる』『行かなきゃならんのだと』
『で、何時に行くんだ』『今だって』『エッ、今?!』・・・こんな調子でした。

『毎週木曜日に集まってるから、またおいで』
の言葉に乗せられて、またまた愉快な思いをすることになるのだが、それはまた後ほど・・・。

ホセ・マヌエル (2)

ホセ・マヌエルは、去年も今年も サハラの難民キャンプで医療活動を行った。
ボランティアである。
気温50度を超える、過酷な環境だったという。
「人々を助けたいから」
と、真剣に語る彼は、熱い男である。
教え子だったパキを講義中に見初めて、猛烈にアタックして付き合い始めたらしい。
(パキは「私は興味なかったのよ」と、真顔でコメントしていた・・・)

身体を動かすのが好きで、毎日走り、近所のプールで泳ぎ、医者として働く。
私たちを案内してセビージャを歩き、知らなかったローマ時代の遺跡にも、
子供のころから通っているという 手作りアイスクリームの店にも連れていってくれた。

彼は、フラメンコを聴くのは好きだが、コンサートに行く程ではない。
“アンダルシアの人々は皆フラメンコが大好き!”というのは誇張されたイメージで、
彼のようなスタンスでフラメンコと付き合っている人が一番多いように思う。
ヒターノ達に関する社会的な問題については、多くは語らないが、複雑な思いを持っているようだった。

スペインで医師になるのは、日本でなるよりも難しいらしい。
最低10年もの勉強をして国家試験を受け、合格後も研修生として2年は勉強だという。
「ものすごく、ものすごく勉強した。人々に尽くす仕事をしたかったから。」
優しい目をした、情熱家。
偶然出会っただけ なのだが、素晴らしい出会いだったと思う。

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