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住み慣れた千葉を離れたのは
まだ半そででは肌寒い4月のはじめ
荷物がなくなって、がらんとした部屋を
最後に振り返ったとき、なんともいえない思いになった
涙は出なかったけど
心の中で、”さよなら”とつぶやいてた
だんだん遠くなっていくマンションを
大きなスーツケースを抱えて、何度も、何度も振り返った
6年間を過ごした千葉の街
海風と少し湿った空気、そして、飛行機の行きかう空
春を染める朝焼け 夏を彩る公園の緑
秋に埋め尽くされる枯葉に 冬のイルミネーション
最後は、辛いことのほうが多かったけど
けれど、わたしがようやく見つけたと思った
いとしい場所
そこをわたしと娘は今、離れてゆく
咲き始めた桜の香りに包まれながら、私は茨城へ向かった
それから半年
色白で、いつも私にべったりだった娘は
日に焼けて、縄跳びも100回近く飛べるようになった
かけっこも早くなったし、べったりじゃなくなった
いつも部屋にこもりきりだった私は
色々あるけれど、一人で歩き出すために、仕事を始めた
もう4回目のお給料
もらえる額は、彰の5分の一だけど
なんともいえない充実感と、自由なお金を少し手に入れた
だけど、失ったものの方が大きすぎて
まだ心の中は癒えていないまま、時が過ぎていく
彰の実家で、彰の部屋で、彰の思い出にかこまれて暮す私
そんなの、忘れなさいっていう方が無理だよね?
昨日、ドリカムの未来予想図聞いてたら、なんだか知らないけど
ポタポタ涙がこぼれて落ちた
”きっとわたしこれからもわがままばかりで困らせるけど
こうしてあなたと寄り添っていきたい・・”
知り合ったばかりの頃、よく聞いていた曲
どうして、楽しかった思い出より、
つらかった思いでは、鮮明に蘇るのだろう
ちくちくと胸を刺すたまらない痛みで苦しくなる
戻りたいわけじゃない まだ好きなわけじゃない
けれど、どうしても、胸が痛くなって、泣いてしまう
なんで?どうしてよ。
自分に問いかけても答えはまだ、見つかっていない
彰は、もう心の中はリセット出来てるのかな
でもリセットしやすいのは彰のほうだろう
私達のものは何もないのだから・・・・
でも、きっといつかは 笑えるかな
心から 笑えるかな
毎日そう思いながら わたしはこれからもここで
必死に生きていくのだろう。
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