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どこかの街の 小さなお店。
小さな看板には傘のマーク。
色とりどりの布に囲まれて、
ひとりのおじいさんがせっせと何かをしています。
「よぉし。これでなおったぞ。」
それは子供用の小さな傘でした。
ここは小さな傘やさん。
やさしそうなおじいさんが いろんな布に囲まれて
素敵な傘を作っています。
カランカランカラン・・・
ドアのベルが鳴って
小さな女の子が顔を出しました。
「こんにちわ。わたしの傘直った?」
背伸びをしながら
女の子がおじいさんを覗き込みます。
「あぁ。ほら、直ったよ。」
おじいさんはやさしく笑うと
女の子に小さな傘を差し出しました。
「わぁ♪ありがとう。」
女の子はうれしそうに受け取ると、
ありがとう!といってお店を出て行きました。
その姿をおじいさんはうれしそうに
見送るとふとウインドウを覗き込んでいる
女の子が目に入りました。
「傘がほしいのかい?」
おじいさんは女の子に話しかけます。
すると女の子はびっくりしたように
おじいさんを見ると、
はずかしそうに
うん。
とうなずきました。
「どれどれ。どんな傘が欲しいんだい?」
おじいさんは女の子に聞きました。
すると女の子はしょんぼりして答えます。
「でもわたし、おかねもってないの。」
というと悲しそうにしたをむきました。
おじいさんは言いました。
「さぁこっちへきてごらん。」
そういうとおじいさんは女の子を
お店の中につれていきました。
色とりどりの布の山を、女の子は
わぁ♪とうれしそうに見上げます。
「さぁ。好きな色を選んでごらん。」
女の子はびっくりしておじいさんを覗き込みました。
「だってわたし・・・おかねがないもの・・。」
おじいさんは女の子にやさしく答えます。
「大事につかってくれれば、お金はいらないよ。」
「・・・・いいの?」
うんうん。とおじいさんはうなずきます。
女の子は嬉しそうに笑うと
たくさんの布の中からひとつの布を選び出しました。
それは綺麗な青い布。
まるで空を写し取ったようなすてきな色でした。
「よしよし。じゃぁ今度の雨の日までに仕上げておこう。」
「ほんと?」
「あぁ。君に合う素敵な傘をつくってあげよう。」
女の子はうれしそうに笑うと
ありがとうと何度も言ってお店を出て行きました。
それから何日かたったあとの雨の日。
しとしとと降る雨の朝、おじいさんがお店をあけると、
このまえの女の子がたっていました。
「よく来たね。まっていたよ。」
もじもじとしていた女の子をおじいさんはお店の中につれていき、
店の奥から小さな傘を取り出すと、女の子にどうぞ。とさしだして
「さぁ、さしてごらん。」とやさしく笑いました。
青い空色の小さな傘。
女の子は嬉しそうに受け取ると、
ゆっくりとその傘を開きます。
「わぁwきれい。」
まるで空をつれて歩いているようなすてきな傘に
女の子は大喜びです。
「おじいさん。ありがとう。わたし大切にするね。」
女の子はそういうと嬉しそうにかえって行きました。
そんな女の子の笑顔がとても幸せそうで、
おじいさんも心がぽかぽかになりました。
それから何日かしたある日のこと。
いつものようにおじいさんがお店をあけると
きらりとドアに光るものがありました。
?なんだろう。
おじいさんがよく見てみると
それは木の実で作ってある首飾りでした。
「これはこれは・・・なんてすてきなんだろう。」
おじいさんがノブにかかっている首飾りを手にとって
ふとあたりを見回すと、
遠くに青色の傘がちらちらとかえっていくのが見えました。
その傘をさしているのは
・・・・小さな小さなキツネの子供。
おじいさんはしっていました。
毎日のようにあのこがウインドウを覗いていたことを。
そしてうらやましそうに傘を眺めていたことを。
うれしそうに帰っていく後姿を見つめて
おじいさんは木の実のネックレスを首にかけると
にっこりと微笑みました。
空にはあの傘とおなじような青空がひろがっていました。
おわり★
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