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台湾や中国にいても、僕の心はつねに楽園の方向、つまりバリ島にあった。
しかし、同じ中華の経済発展地区・香港、台湾でも、そこからバリ島を感じるうえでの環境、視点がまったく違っていた。台湾人にとっても、香港人にとっても、バリ島は人気の観光地だ。しかしバリ島への憧れ度、関心度の次元はまったくといっていいほど違うのである。
バリ島を訪れる観光客数のNO1は現在日本人だが、台湾は数年前までNO1であった。香港はあまりにタマが小さいため数字的には出てこないが、韓国人よりはプレゼンスがあったように思う。
台湾では、バリ島はずっとグループツアーが主体だったのが、最近は個人観光でウブドゥなどに長期滞在する人が増えて、日本人のように現地の男と一緒になる台湾女性や、ヴィラを購入、建築する人も増えている。バリに行く日本人なら台湾人観光客の多さは実感するところだろう。
一方、バリで香港人にはあまり邂逅しないが、香港ドルを使っていたとき、そのプレゼンスは実感した。おそらくこちらが気にしないだけで、両替のバリ人たちはかなり香港人を見慣れている、といった様子だった。香港のツアーエージェントやチケット屋はよく使ったが、バリ島観光はけっこう人気があった。
バリまでの飛行時間は、台湾、香港ともに4,5時間と、けっこう手軽である。どちらも直行便がある。
台湾にいると、バリの調度品を使ったバリ風喫茶店や、民芸品店をたくさん目にする。台湾の北京語でバリは「●里」と書くが、この文字を含む飲食・宿泊・売りマンション関連は、きっとよく目にするだろう。出版文化が非常に発達した台湾では、バリに関する様々な本もたくさん出てきた。バリのガイドブックでパイオニアの台湾人ライターが知り合いにいるが、やはり実感するのは彼らのバリに対する憧れ度が、日本人のそれに似ていることだ。
では、香港はどうだろう。香港で普通に生活しているうえでの印象では、彼らがまったくバリの文化や雰囲気に興味がないことである。商売に使うためにバリの雰囲気を出す店は多少あるが、数は少なく、バリへの憧れや、バリ島のスピリット(といったら大げさか)に共鳴したうえでの何らかの反応も見られない。香港にバリもバリの雰囲気も存在しないのである。
もちろん、バリ島は香港人にも台湾人にもエキゾチックなところである。
台湾の南部や花蓮のような東部へ行くと、バリと同じような気候、景色に出会うかもしれないし、僕はよくそんな錯覚を覚える。しかしほとんどの台湾人にとって、バリは憧れの南国だ。スパやテラスレストランでリラックスできて、王様(王女)気分に浸れるところだ。
香港にも南国のきれいな海や山がある。サイクンの波止場のレストランなど、サヌール気分に浸れるし、小島のトリップも、トレッキングルートの整備された山々も美しい。しかし彼らの視線はいつも仕事場である都会へ向き、あくせく金稼ぎに忙しく、のんびりした雰囲気への憧れはあまり感じられない。
買い物好きな香港人には、バリは不向きだから? あるいは、香港人はきれいなところが好き(普段汚いところに住んでいるから。。。)、バリは散歩するとその汚さがバレてしまうから。。。などなど、さまざまな意見がでてきそうな比較論になるだろう。
ちなみに大陸中国はまだまったく個人レベルでの旅行でバリ島に押し寄せていないので、ここではトライアングルの話まで移ることはできない。。。中国を旅行しているときに、あちこちでシュピースのことを地元の学生などに話したが、「バアリダオ(バリ島)」と言っても、相手は皆ちんぷんかんぷんだった。
しかし、同じ中華の民で、同じようにリッチになった台湾と香港で、これほどバリ島に対する見方が違うのは、興味深いところではないか。(と、ほとんどの人にとっては感心のない話題だろうが)。。。
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