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走路有風〜 作家・坂野徳隆の書斎からの景色
Photos & Texts (C)Narutaka Sakano 転載厳禁 *著者への連絡は上の「メッセージ」にお願いします

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(昆明の市場で売られていた犬の開き)

中国を旅する者にとって、食事は大きな楽しみだ。
現地の中華料理にハズれはない、というのが、バスの休憩レストランから、
ド田舎の店、中規模都市の新旧メシ屋など、方々で食べた感想だ。

しかし食えないものもあった。。。

その前に、今騒がれている農薬野菜をはじめとする中国食材への不安などは、
中国人が一番よく知っていることなので、政治的に両岸で騒ぐのは意味がないね。
中国で、みんなが中国産の食べ物に疑念を抱いているのは、
当たり前のことであり、周知の事実。
食材は仕方ないので、とんでもない油を使われては困ると、
マイ・オイルなるものを携帯し、店で自分の料理に使ってもらう人もいるし、
中国を旅する台湾人たちはかなりの割合でマイ箸を持参する。
しかしだからといって、地元も含め、加熱した食材に執拗に疑念を抱くことは
ないだろう。

ただし、生で野菜を食べる人は、かなり昔からそれ専用の洗剤で洗っていた。
香港でもいろいろなレストランの厨房を取材したことがあるが、
中国産の野菜は慎重に洗っていたところを、見たことがない。
香港島の繁華街にある日本人経営の日本食レストランなど、水にしばらく漬けて、消毒する?
だけだった。

さて、食えないものだが、写真でおわかりのとおり。
猫もダメだが、これは蛇と一緒に炒めて、龍虎のめでたい一品となるらしい。

また中国旅行をする予定だが、食の安全性など考えても仕方ないので、
そうため息をついた瞬間、ふと思い出したのが、
この「開き」になった、哀れな動物の面相だ
(映画「ブレイド2」だかの、思い切り口が開く新型吸血鬼仕様の面相だろうか)。
「食え! いやなら食うな!」
開き面相の叫びが聞こえるではないか。

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(写真は著者であり、殺人犯ではありません)

以前住んでいた台北県汐止市(台北と基隆の中間)
の裏山は、美しいものと恐ろしいものが混在する、ミステリーゾーンだった。

汐平路という道が、濃緑の峠を越えて平渓という観光地へ抜ける快適な
ワインディングとなり、つづいている。ここでは
台湾の国鳥である青い尾羽の珍しい鳥、台灣藍鵲(英名Formosan Blue Magpie)
を見かけることもあるし、渓谷や見晴らしのいいところには、お茶を飲むための
石造りのテーブルと椅子が設置され、市民の憩いの場所となっている。
また、よく整備された峠道には小さな公園もある。そうした見晴らしのいい
ところには、脱サラで移動コーヒーショップをはじめた人たちが、臨時スタバのような
サービスをおこなっている。
こうした整備されたところは、汐止市の前市長(今回、立法議員選挙で落選)が
市民サービスに熱心だったことから可能になった、すばらしい成果なのだそうだ。

東京あたりでいえば、汐止は川崎あたりの位置関係なので、川崎のすぐ裏に山脈があって、
気軽にそこへ入っていくという感じか? 大自然に囲まれたエリアだ。

風光明媚で、市民もよく足を伸ばす、自然豊かなこの裏山。
しかしそこでは、物騒な事件やはなしをよく聞くのである。
タクシー運転手による焼身自殺、他殺体を車でここにつれてきて遺棄した
というはなしもある。僕も、焼死体が一日前まであった焼け焦げた車を見たこともある。
たしかに交通量の少ない山で、野良犬もたくさん歩いている。夜の交通量はほとんどない。
「トラブルでもあって停車したら、きっと悪い人に襲われる」と、怖がる人もいる。
しかし昼間なら、と出かけてしまうのは台湾人だけではない(自分)。

戒厳令後も台湾社会がそうであるように、緊迫と安寧の共存は、
市民にとってそれほど珍しいことではないようだ。
快適にこの裏山をドライブし、平渓へ行って、炭鉱跡に入ったり、
天燈のときは小さな熱気球に願いをこめて飛ばしたりする。
また、その途中、大型バイク野郎たちが集るカフェでコーヒーを飲んだり、
足を伸ばして十分、基隆まで行き、高速で帰ったりもできる。

季節によっては、山一帯が白い雪花(油桐花− 大樹に咲く大型の花。六月雪と
呼ばれる)に染まったり、血色の山桜(原住民の恨みの血の色。。。)に埋まったりする
のを見ることができる。(写真は雪花のとき)

こんな台湾もあるんですよ。。。

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坂野 徳隆
坂野 徳隆
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