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走路有風〜 作家・坂野徳隆の書斎からの景色
Photos & Texts (C)Narutaka Sakano 転載厳禁 *著者への連絡は上の「メッセージ」にお願いします

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「鹿狩り」1932年作

同性愛者のドイツ人画家ヴァルター・シュピースが描いた、熱帯幻想絵画。

描いた動機は、甥っ子がサメに食われて夭逝したこと。

当時、バリ島のシュピースを訪ねていた喜劇王チャップリンは、この絵を見てすぐに気に入り、高額で購入。バリ滞在中、子供のようにはしゃぎながら、この絵をまわりに見せびらかしていたという。

しかし、絵のモチーフには、甥の巻き込まれた悲劇が隠され、テーマは生と死に関わる。
そしてこれが、シュピースにとっては、大事な転換期の絵となるのである。

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Who is Walter Spies?


 1930年代、世界的ツーリズムの鯨波が押し寄せるインドネシア・バリ島で、廃れ行く音楽や伝統芸能の保存、復興、発展に多大な功績を残した、ロシア生まれのドイツ人芸術家。
 その人物と才能に魅せられた喜劇王チャップリンも収集した熱帯幻想絵画の名作は現在1枚が1億円を超える。画家であり音楽家でもあったシュピ−スは、自然科学研究にも秀で、完成されたダンサー、写真家でもあった。「音楽に形をあたえ、絵画に音楽をとりいれた」才人。
 シュピ−スは現在バリ島で見られるケチャ・ダンス、バロン・ダンスを始め、様々なデザインスタイルを確立したことで知られるものの、その人物像や業績はこれまで研究されず、「バリの空気となって、何よりも大切なのに、21世紀になってもバリ島に残りつづける最後の伝説」(シュピースを知るバリ人)として、虚像ばかりが一人歩きしてきた。1963年、オランダで出版された書簡集以来、評伝、研究書の類も出ていない。
 シュピ−スとはどんな人物だったのか。何が彼を南洋の島へ向かわせ、彼はそこで何を見たのか?
 今回出版したヴァルター・シュピースの評伝「バリ、夢の景色」は、一人の奇異な星運に生まれた魅力的な人間の、46年間の波乱に満ちた人生の軌跡とその業績を10年に及ぶ現地取材などを通じて描き出す、世界初の伝記だ。


その人生、ダイジェスト His amazing life journey

 ヨーロッパからアジアへまたがる広大な国土、世界3位の高度成長経済、宮廷バレエを始めとする芸術文化の世界的中心として栄華を極めていたロシア帝国。19世紀末、秋が急速に深まる9月の商都モスクワで、当時ロシアで消費されるタバコのほぼすべてを販売していたドイツ系豪商の家に、一人の男児が誕生した。
 金髪蒼眼、人形のように美しく多感なその男子は、手にものを握れる年齢から絵筆を持ち始め、ピアノにも才能を示す。作家マキシム・ゴーリキーや音楽家スクリャービンなどが自宅サロンに集う豪奢な貴族的生活のなか、少年は母国ドイツのアバンギャルド芸術を吸収し、活発で才能豊かな美青年に成長。しかし、19歳のとき起きた第一次大戦により、敵国人として逮捕され、ウラル山脈へ抑留された彼は、収容所の生活で意外な発見をし、人生を変える啓示を受ける……。
 後にインドネシアで旋風を巻き起こす才人に、悪戯好きな運命の女神は、様々な試練や幸運を用意する。ロシア革命の混乱に乗じて抑留から開放されたシュピ−スは、帰国したドイツで「ドイツの最も偉大な映像作家」と呼ばれたF・W・ムルナウと出会い、映画制作の現場に接する。その時代の景色は、彼の絵画スタイルを変化させ、展覧会でセンセーションを巻き起こすものの、ウラルで受けた啓示は彼を文明社会から逃避させ、南洋へと飛び立たせる。
 伝説の芸術家を創り上げた、23歳までのシュピ−スの前半生とは。そして、インドネシアへと旅立った彼を待ち受ける運命、さらに彼がそこで見た、「夢の景色」とは……。

著者HP
http://www.geocities.jp/narusakano/

ヴァルター・シュピースを知るキーワード

シュピースが関わる人物:

チャーリー・チャップリン(コメディアン)
 1932年、バリ島訪問時に案内人としてシュピ−スを紹介された世界的スターの彼。実はシュピ−スが運命的な事件に遭遇した直後にバリを訪問している。そしてチャップリンは、シュピ−スがその運命的流れのなかで描いた秀作絵画にほれ込んだ。さらに、シュピ−スにとんでもない相談をするに至る。果たしてその事件とは? 作品とは? チャップリンとシュピ−スのあいだに起こったこととは?

F・W・ムルナウ(映画監督)
 吸血鬼映画『ノスフェラトゥ』や普及の名作でハリウッド進出第一作目『サンライズ』などで知られるムルナウは、チャップリンに「サイレント映画最大の監督」と絶賛されたドイツサイレント映画を代表する映画人。同性愛者だった彼は、シュピ−スの芸術のパトロンとなり、多大な影響を与える。インドネシアへ旅立ったシュピ−スに会うため、彼は「バリ号」と名づけた自身のヨットでアメリカから出航するが、その航海には思わぬ結末が待っていた……。

グレタ・ガルボ(映画女優)
 ハリウッドでムルナウを兄のように慕い、ムルナウのデスマスクを片時も放さなかった孤独な女優。彼女が愛したフィラデルフィア・フィルハーモニーの指揮者は、実はシュピ−スとある計画をたてていた。

アルトゥール・シュナーベル(音楽家)
 世紀のピアニストは、実はシュピ−スと「特異な」関係にあった。さらに、このマエストロさえうならせた、シュピ−スのある一面とは?

ココシュカ(画家)
 元マーラー婦人アルマとの堕落的、狂気的恋愛で知られ、映画にまでなったオーストリア人画家。アルマの等身大人形を連れてドレスデンを練り歩くこの変人を、シュピ−スは敬い、交友を結ぶ。しかし、まさかココシュカの手が「そこ」に伸びていくとは、シュピ−スも予想だにしなかった。



<シュピースの絵画作品>

「夢の景色」(1928年)
 ムルナウのために描いた予言的絵画。それは誰の未来を、どのように予測しているのか? そしてその結末は……。

「風景と子供たち」(1938年)……この上の絵画
 一見単なる風景画に見えるこの絵には、シュピ−スの深い哲学が隠されている。彼が熱帯の景色にこめたその思いとは……。


詳しくは、「バリ、夢の景色」HPへ

http://www.geocities.jp/narusakano/index.html

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坂野 徳隆
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