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走路有風〜 作家・坂野徳隆の書斎からの景色
Photos & Texts (C)Narutaka Sakano 転載厳禁 *著者への連絡は上の「メッセージ」にお願いします

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(写真: 100元札(340円)を並べ、サイコロゲームに興じる家族、昨夜の情景。親が負けるほど皆が嬉しがる。しかしもらったばかりのお年玉をすべてスリ、べそをかく子供もいる)

台湾の旧正月(新春)は今日から始まった。
昨夜は大晦日。その夜のすごし方は日本のものとはかなり違う。
この夜一番大切なのは、外で遊ぶことでも仕事を収めることでもない。
ただ家へ戻り、家族が集まって、一緒に食事をすることである。

家族を大切にする中国らしい考え方ともいえる。

夫の実家に集まるのが基本で、独身なら自分の実家に集う。
この日は会社も休み。繁華街を除いてほとんどの商店が休みとなり、
祝いの宴会の食材は事前に用意して、ご馳走が料理される。

食事のまえに、服を着替えて新年を迎える心準備をする人も多い。
団園(みんな集まって丸くなる)の席は6時半とか7時にはじまり、
食事が終わると子供たちや独身の若者、子供からは親へ、赤い袋に
入れたお年玉がつぎつぎと手渡される。
「シンニェン クゥワイラ(新年おめでとう)ゴンシーファーツァイ(財産が増えますように)」
の声が交わされ、その後は麻雀やサイコロゲームの時間となる。
一年に一回、子供たちはこのときだけお金をかけて、サイコロをふれるのだから、
子供もそして大人も、大いに盛り上がる。
ちなみに、このゲームは台湾語で「シッパーラ」というが、シーパー(18)が訛った
もので、3個のサイコロを使ったことから(6の目の3倍)名づけられたというが、
現在はサイコロ4個でおこなう。
6の目が2つ出て最高点になると、「シッパーラ」の声があがる。逆に、最低の目(3)
が出ると、「ピーチー」となり、親がこれを出せば全員に掛け金と同額が配られる。

アルコールと音楽とテレビとゲームの歓声でぐるぐるとめまいがして、
気がつくと外で花火が激しく打ち鳴らされている。日付が変わるあたりに
特に打ち上げ花火(個人単位、会社単位、地区単位でやっている)が盛大になる。
ゴンシー、ゴンシーと三々五々帰路につく親族らを見送るも、この夜は
眠らずにおきていたほうが親が長生きするといわれているため、
明け方までゲームに興じる人々が多い。

今日、新年の初日、台北は冷たい雨だ。そのせいか火薬類の破裂音も少ない、
静かな正月になっている。
今日は友人たちが集まり、明日は親戚、あさっては夫人方が実家に帰るという
スケジュールで、新春休みは11日までつづく。

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坂野 徳隆
坂野 徳隆
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