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1986年、オリバー・ストーン監督が中米の小国エル・サルバドルの内戦を描いた映画「サルバドル」。
極右勢力がアメリカのバックアップを得て、抵抗する住民やゲリラ勢力に左派のレッテルを貼り虐殺を繰り広げた、実話をもとにつくられた作品である。
オリバー・ストーンといえばその前にベトナム戦争を描いた大ヒット作「プラトゥーン」を発表し、僕も監督の前期の数作の大ファンである。
「サルバドル−遥かなる日々」として日本でもヒットしたこの作品、先日ふとしたきっかけで台湾人に推薦したところ、誰も知らないという。「プラトゥーン」は知っていても、なぜ「サルバドル」は知らないのか。理由はどうやら台湾では公開されなかった、問題映画だったからのようだ。
考えてみれば、当時国民党政府の利益にならない映画としての要素をこの作品は持っている。アメリカのバックアップを得て住民を抑圧する独裁政府。国益のためには外国政府の圧政を見ぬふりするアメリカ。これらは白色テロの時代からつづく台湾の国民党政府とアメリカの関係にそっくりである。
民進党の時代になってからは徐々にDVDやケーブルTVで放映されるようになったこの作品、30代、40代の国民党教育世代にはまったくといっていいほど知られていないのが実情のようだ。
しかしよくよく調べてみると、エルサルバドルとは台湾は国交を持ち、その点からの配慮もあったようだ。二十数か国と国交を持ち、中国と外貨競争を繰り広げていた建前上、さらに刺激したくないという気持ちもあったに違いない。
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