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早朝のため湖上に舟も少なく、瑠璃色の湖面は絹の表面のようになだらかだった。
この埠頭は新しく作られ、足元(写真の下)に原住民のモチーフが描かれていた(本の帯をとるとこのモチーフが出てくる)。左から伸びるプジ半島(サオ族が神獣の白鹿に導かれてたどりついた、サオ発祥の地)がシルエットとなっている。このプジの先、対岸に朝日を浴びて頂を赤く輝かせるのは水社のホテル。一見凡庸な風景であり、日本の湖観光地のようだ。しかし標高750メートルの湖面を囲む2000〜3000メートルの高山が朝日をさえぎり、空は明るいのに、特に手前の水社側が暗く、空の反映が余計湖を青く、不思議な朝の印象風景を形作っていた。
実際はもう少し赤っぽく、水は瑠璃と藍の中間で、印刷のために色が変わってしまった。日月村へ行けば、いつでも見えるので、ぜひ訪れて実際に見て欲しい。
サオの村は、プジのすぐ向こう側に消えた。日本時代のミステリーは目前に沈んでいる。日月潭の神秘性とサオの悲しくい歴史が、この青の深みを増し、こちらに何かを囁きかけるかのように、水面を細かく震わせている。
ちょうど今日か明日?発売予定
『台湾 日月潭に消えた故郷 〜流浪の民サオと日本』 坂野徳隆 ウェッジ刊(1470円税込)
清代から日本統治時代、戦後現代までの台湾史、そして隠れた近代日本史を縦走し、日本では未紹介の台湾原住民文化を現地取材と台湾経験から見たノンフィクション! キラシという邵族長老の話は、世界初公開! その他、日本では知られていない台湾・日本史も紹介しています。
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