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「ある日日本人の警官たちがやってきて、湖畔の別の場所へ移住するよう言われたんだ」
88歳の原住民の翁は、当時を思い出して唇を震わせた。
「今でも思い出すたびに頭にくる」
1934年6月30日、キラシこと石阿松(当時の日本名:石松)は、当時13歳だった。生まれ育った日月潭の湖畔の村、石印を家族や一族全員ともに追い出された。
そのあと、日潭と月潭の双湖は、水位が7メートルから27メートルへ上げられ、東洋一の日月潭発電所のための貯水池となる。
キラシ少年は、別の湖畔の移住先で、まったく新しい生活をはじめることになる。それは日本人の優しさに触れ、感化され、自分が今度は日本人として成長していく、新しい人生だった。
88歳のキラシ。抱くのは、55歳のときの自分の肖像
キラシが見た日本統治時代とは……
『台湾 日月潭に消えた故郷 〜流浪の民サオと日本』
(ウェッジ刊) 坂野徳隆著 1400円
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2011年04月26日
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